兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2021年2月

【木曜】 乳がんの早期発見・早期治療

 肥満、タバコ、授乳しない女性の増加など生活様式の変化に伴って、乳癌に罹る方が徐々に増えています。20歳台での発病は稀ですが、乳癌は40歳台後半から60歳台をピークにしてあらゆる年代で発病します。40歳以降は発病しやすい年代で、80歳以上の方も注意が必要です。
 しかしいろいろな癌の中でも乳癌は比較的発見がしやすく、また治しやすい癌だと言えます。
 乳がんは、早期のうちに自分で見つけることができます。一番多い自覚症状は乳房のしこりです。早期発見のためには自己検診が大切です。
 自己検診は月に一度、お風呂でご自分の乳房に石鹸をつけて触れるとよいでしょう。乳癌のしこりは通常痛みがなく、植物の種のような硬さがあります。
 乳癌の症状は、他に乳頭からの出血や形の変化など様々ですから、気になることがあれば迷わず専門医を受診してください。
 大きさや位置によっては症状が無い場合もありますので、マンモグラフィーや超音波エコーによる乳癌検診を受けていただくことも大切です。乳癌検診は2年に一度、できれば毎年お受けください。ほとんどの自治体が40歳以上の女性に無料クーポンを配布しています。ぜひ活用しましょう。
 乳癌の治療は手術と薬物療法が中心です。
 手術は最近、癌の部分だけを切除して乳房そのものや転移のないリンパ節を残す、体に負担の少ない手術がよく行われています。乳房を残した場合やリンパ節転移の数が多かった場合は、あとで放射線治療を組み合わせて行います。乳房を切除する場合は、切除と同時、またはそのあとで乳房を再建することができます。
 薬物療法は、癌の転移・再発を防ぐための全身治療で、手術に劣らない重要な治療法です。ホルモン治療と抗がん剤治療がありますが、患者さんの癌の性質に合わせてそのいずれか、または両方を行います。薬物療法は薬の効き具合をみたり乳房を残す手術を行うことを目的に、手術前に行うことが増えています。薬物療法だけで乳癌が消えてしまうことも、もはや珍しいことではありません。
 乳癌の治療は治す確率を高めながら、体の負担を少なくする方向で日々進歩しています。もし乳癌に罹ったとしても、早期に発見することができればほぼ治すことができて普段通りの生活を送ることができるでしょう。  

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。