兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2021年10月

【水曜】 妊娠中の痔疾患

 妊娠中にいぼ痔が痛く腫れ上がり、治療を求めて来院する妊婦さんは多いです。「なんとかして欲しい。」と藁をも掴む思いで来院されます。肛門部には大きく張れて飛び出した痔を診る事がよくあります。妊娠月数が進み、胎児がお母さんの骨盤内を降りてくるにつれ骨盤の静脈を圧迫するため、うっ血がひどくなるのが原因です。さらに黄体ホルモンの影響で便秘気味になります。妊婦の痔の治療は肛門科医の悩みの種です。特に妊娠初期、2か月目ぐらいまでは使用できる薬剤はほとんどありません。おしりを温め、便を柔らかくするお薬を飲むぐらいです・刺激の強い下剤はやめて・酸化マグネシウムのような緩下剤の飲み薬がお勧めです。肛門から入れる座薬ではステロイドを含まない物なら使用できます。妊娠後半にはステロイドの入った座薬を処方している産科もありますが、胎児への影響を考えると慎重にならざるをえません。痛み止めも止めておくべきです。アセトアミノフェンの短期間使用(1週間程度)は許可されていますが、あまり勧められません。お風呂にはいりお尻を温め、血がとどこおるのを防ぐ座薬を使い、便通の良くなる食事を工夫しましょう。いぼ痔の画期的治療薬として開発された注射薬は妊娠、授乳中は使用出来ません。さらに人工透析中の方にも使用してはいけません。

 この様に妊娠中の痔の治療は極めて困難です。妊娠する前に肛門疾患をもつ方は専門医に診てもらっておいた方が安心です。色々アドバイスを受け、妊娠に備えるべきだと思います。症状のある痔疾患は専門医で治療しておいた方が良いと思います。妊娠中にスムースな排便を維持する方法、便通の良くなる食事などは、助産師さんとも相談してみてください。無事赤ちゃんが生まれて授乳期に入っても使える薬は限られます。赤ちゃんを産むことは、本当に大変なことです。お母さん、妊娠前に一度専門医の診察を受けておいた方が安心して妊娠期間を過ごせますよ。生まれてくる我が子のために、お母さん頑張ってください。

2019年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。