兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2021年11月

【月曜】 瞼のできもの・腫瘤

 まず、瞼の構造について説明します。通常の組織より柔らかくスポンジみたいで、液体などを吸収して、すぐ腫れます。瞼の真中には、プラスチックみたいに固い組織があります。それは瞼の板と書き、瞼板(けんばん)と言います。瞼の形を保つのと、睫毛のきわに細い管である、瞼板腺 ケンバンセンを出しており、そこから脂肪を分泌して、瞬きする毎に涙の上を覆い、乾燥を防ぐ役目があります。また、瞼板には瞼を挙げる筋肉がついています。

 瞼のできものとして、一番多いのが麦粒腫、いわゆるメバチコまたはモノモライです。細菌の感染で、瞼が赤く腫れあがり、痛みがあります。また、瞼板腺から瞼板の中に細菌が感染する場合もあります。治療は、まず抗生物質の点眼液や軟膏で様子をみて、必要な場合は抗生物質の飲み薬を使用します。膿が溜まったら、直ちに切開して膿を出します。

 次に、多いのが霰粒腫(さんりゅうしゅ)です。瞼板腺が詰まって瞼板の中に脂肪成分などが溜まり、柔らかいできものになります。炎症性(えんしょうせい)肉芽(にくげ)(っしゅ) と言い、あらゆる年代の方に発症します。治療は、抗生物質や炎症を抑める点眼液や軟膏、のみ薬で様子をみて、良くならない時は、摘出手術をします。再発することもあります。麦粒腫・霰粒腫ともに良性のできものです。

 一方、頻度は少ないですが、癌などの腫瘍が出来ることもあります。点眼液、軟膏や飲み薬では良くならずに、少しずつ大きくなります。触ると表面がデコボコしていることもあります。腫瘍を手術で取って、良性か悪性を顕微鏡で判定し、適切な治療方針を決めます。また、まぶたのほくろが大きくなり、色が濃くなる場合は、直ぐ眼科を受診しましょう。悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)というガンの可能性もあります。

 いずれにしても、早めに眼科を受診して、適切な治療や診断を受けてください。

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