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2022年5月

【木曜】 社交不安症(社交不安障害)とは

 人前に出ると,あがってしまい赤面するのではないかと思い対人交流を避ける赤面恐怖症はかつては日本人に多いと言われてきましたが, 欧米にも同様に存在することがわかってきました。最近は更に多彩な症状を来す疾患群,社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)として纏められるようになりました。緊張は誰にでもあることですが、たいていは経験を積むにつれて自然に振る舞えるようになります。

 しかし、社会不安障害の場合は自分でも不合理だと思っているにもかかわらず、それがどんどんエスカレートし、日常生活に支障をきたしてしまいます。

 現在、日本ではこの病気で悩んでいる人が約300万人以上いるといわれています。発症年齢の多くは10代半ばから20代で、病気という認識がなく、長い間1人で悩んでいるケースが少なくありません。

 社会不安障害は、放っておくと鬱病などの引き金になる恐れもあるので、思い当たることがあれば心療内科や精神科を受診しましょう。

 発症の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、脳の中に神経情報を伝える物質であるセロトニン等のバランスが乱れて、不安を誘発しているとの説や、恐怖や不安に関与する脳の中の扁桃体という部分が過剰に反応しているのではないかとの説があります。また、人前で恥ずかしい思いをした経験が引き金になったという報告もあります。遺伝と思われる症例はごくわずかです。

 症状は,他人の注目を浴びる可能性のある社交場面に対する著しい恐怖または不安です。人前での会話や字を書く時や,発表,会食場面において自分が恥ずかしい思いをするのではないかと心配し、緊張、震え、動悸、発汗、吐き気、赤面等が生じます。また重症例では自分の赤面、視線、体臭が他人を不快にさせるのではないかという強い不安を感じ,その不安が起こる場面を避けようとすることから、学業や社会生活に支障を生じ、引き籠りとなることもあります。しかし家族や友人との談笑は問題なく出来るようです。

 薬の治療は抗鬱薬(SSRI(選択的セロトニン取り込み阻害薬)という飲み薬を使います。また認知行動療法(行動記録と,その時の気持ちを点数化する)を通じて自分の思い込みを正す事を目標とします。更に森田療法では、むしろ恥ずかしいと思う自分自身の本心になりきり、それを自覚することで、症状への囚われの悪循環から抜け出すことを治療の目標にします。

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