兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年5月

【水曜】 性器ヘルペス

 性感染症には、淋菌感染症、クラミジア感染症、HIVなど様々な感染症がありますが、今回は性器ヘルペスについてお話しします。性器ヘルペスは、単純ヘルペスが感染するもので、水痘・帯状疱疹ウイルスが感染して起こる帯状疱疹とはちがいます。一度感染してしまうとウイルスが体内に潜んで、体の抵抗力が落ちたときに再発する、いやな病気です。その性格上、年齢が高くなるほど有病率が高くなる、ちょっと変わった性病です。以前は「口唇ヘルペスは1型、性器ヘルペスは2型」といわれてきましたが、最近では1型と2型の境目が薄れつつあります。

 ヘルペスウイルスの感染により性器に水疱(水ぶくれ)、腫れ、痛み、かゆみなどの症状が起こります。男性では亀頭や包皮、女性では陰唇、外陰部によく起こります。なかには、鼡径リンパ節が腫れて痛みを伴う方もおられます。発病後たいてい1-2週間で症状は治まりますが、その間はとてもつらい日々が続きます。性器ヘルペスは一度かかると何度も再発することがある病気です。年に1-2回のこともあれば 毎月のように再発する方もいらっしゃいます。再発を繰り返すうちに症状が軽くなることがほとんどですが、症状が軽いときにかえって自分で気づかないうちに パートナーに移したり、性器を触った手で目をこすって角膜炎を起こすこともありますから、十分に注意したい病気です。

 治療としては、抗ウィルス薬を飲みます。飲むことで、早く症状を治すことができます。あくまで症状を軽くする治療ですので、ウィルス自体を体から消し去ることはできません。ヘルペスは再発しやすい疾患なので、自分でお薬を前もって持っておくこともできます。何度も再発する人は再発をしないように毎日お薬を予防的に飲む方法もあります。再発抑制療法と言います。ヘルペスにかかったら、うまく付き合っていくようにしましょう。

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