兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年6月

【水曜】 シャルコ―関節

 シャルコー関節とは、1860年代にシャルコーという人が報告したので、今でもこの名前が残っています。別の名前では、「神経病性関節症」と言います。どのような症状が起こるかと言うと、主に足、膝の関節が腫れてきます。打ったり、捻挫した覚えがないのに腫れてきます。半年、1年かけてゆっくり進みます。あまり痛みがないので、病院に行かずにそのまま放置する人が多いです。関節リウマチとは違って、どんどんあちこちの関節に広がってゆくことはなく、夜中に痛むということもありません。ただし、腫れあがった足、または膝をそのままにして自然にもとに戻るということはありません。片方だけが腫れるということも多いです。あまりに腫れが取れないので、不安になって整形外科へゆくと、レントゲンを撮ってくれます。多くの患者さんは、ここで診断がつきます。レントゲンでは、関節の骨や軟骨が、ボロボロになって、崩れているのがわかります。普通の捻挫や骨折では、ここまで骨の破壊が進むことがないので、シャルコ―関節の診断がつきます。使い過ぎや年のせいでは、説明がつかないほど、関節が崩れているのです。

 では、なぜ、関節が高度に破壊されるかを説明します。特殊な病気のせいで、骨がもろくなり、しかも痛みを感じる神経がマヒする結果、そうなるのです。痛みを感じる神経が麻痺していることが、この病気の最大の特徴です。最初に申し上げた「神経病性」という意味は、ここにあります。もともと糖尿病や神経が麻痺する病気を持っている人が罹ります。それで、シャルコー関節といわれた人は、糖尿病などがないか検査をして、原因を突き止めることが大事です。次は治療の話です。最初に行うのは、リハビリです。暖めたり、低周波をしたり、マッサージをして、できる限り腫れを取りましょう。そこで不十分な場合は、サポーターや装具を調整してもらいましょう。根本的治療には、手術があります。いくつかの治療を組み合わせることで、早く症状が改善します。いずれにしても、長く症状が続く場合には、一度専門医のアドバイスを受けてください。早期発見、早期治療が大切です。

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