兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年8月

【火曜】 子どもの歯並びについて

近年、マスク着用によって子どもの歯並びについて、他人から指摘されることが少なくなりました。ここで子どもの歯並びについて考え直してみてはどうでしょうか。子どもといっても口の中は乳歯だけの場合、乳歯(子どもの歯)と永久歯(大人の歯)が混ざり合って生えている場合、もしくは永久歯のみの場合があります。

乳歯だけの場合は、2つ気にかけてほしい時期があります。生後6か月から2歳ぐらいまでの間上下 4 本の前歯の乳歯が生えてきたときの歯並びです。この時期は全ての乳歯がはえそろうまでに自然治癒することが多いため治療の必要はないようです。しかし、2歳半から6歳の時期は指しゃぶり、唇を咬む、顎を前に出すなどの悪い癖により歯並びに影響を 与えます。悪い癖は、そのものをやめさせれば歯並びは改善することがあり、必ずしも治療の必要はありません。ただし、下の歯が上あごに噛みこんでいる又はその逆の場合、定期的に観察し治療が必要なことがあります。

乳歯と永久歯が混ざり合って生えている場合、特に上の前歯の歯並びが一時的に乱れる ことがあります。専門的にはアグリーダッキングステージ(乱れた歯並びのステージ)と呼ばれ、この場合、顎の成長にともない、3 番目の歯、犬歯と呼ばれる歯が出てくることで、改善することがあります。

永久歯のみの場合は、顎の成長や歯を移動するにあたりスペースが足りるかどうかなど を総合して診断します。時には、永久歯を少し削ったり、場合によっては、抜くこともあり ます。

さて、診療にどこまで保険が適用されるのか気になると思います。保険診療による歯科矯正は、次の3つの場合のみです。①厚生労働大臣が定める疾患(唇顎口蓋裂、Down症候群、上顎または下顎前突など)に起因した咬み合わせの異常、②3本以上永久歯が出てこないことによる咬み合わせの異常、③顎の骨を前後に移動させる手術を必要とする場合です。単に歯並びが悪いための審美歯科矯正は保険適用外となります。

これまで述べたように、子どもの時期により歯並びを治療するか否かが分かれます。必ず しも治療が必要ということではありません。生活の中での、悪い癖を改善すれば治る症例も あります。もし、不安なこと聞きたいことがあれば、お近くのかかりつけの歯科医師に相談 してみてはいかがでしょうか。

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