兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年10月

【金土日】適応障害

 「適応障害」とは、環境にうまく適応できないことによって生じる心と身体の不調のことです。よくあるのは、慣れない環境になじめない場合―たとえば大学生になって、地元を離れて一人暮らしを始めた人や、新社会人になって就職した人、転職した人、同じ職場の中でも部署異動した人、などが「適応障害」になりやすいのです。ほかにも転居、結婚や離婚、家族の病気などの環境の変化がきっかけになります。

 心の不調としては、やる気が無くなる、気分が沈みがち、イライラする、不安、焦り、孤独感、集中力低下、人が怖い、あるいは学校や職場が怖い、など、うつ病の一歩手前とも言える状態です。

 身体(からだ)の不調としては、食欲が無くなる、眠れない、頭痛、めまい、耳鳴り、胃痛・吐気、便秘・下痢、動悸、過呼吸、疲労感、身体のあちこちの痛み、円形脱毛など、さまざまなものがあります。

 行動の変化としては、起き上がれない、電車やバスに乗りにくい、学校や職場に行けなくなる、家事ができない、などがあります。

 このような症状が見られた場合は、どうすればよいでしょうか。大事なのは、まわりからのサポートを得ることです。学生なら、学校で相談室や学生支援センターなどのサポート体制があると思いますので、まず、それらを利用するのもよいと思います。

 社会人の場合、産業医などが相談にのる体制が整っている職場は、それを利用してもいいでしょう。そうでない場合は、勇気を出して、精神科・心療内科を受診しましょう。そこでは、あなたの環境にどのような変化があったのかを聞き取り、症状に応じてお薬を処方し、あなたの悩みを聞いて、一緒に解決策を考えてゆきます。学校や職場に行けなくなって受診された場合、しばらく休養を取り、生活のリズムを整えることから始めることも多くあります。

 誰にとっても、環境が変化するのは大きなストレスですから、大事なのは自分を責めないことです。そして繰り返しになりますが、出来るだけ早く、「適応障害」ではないか、と気づいて、精神科・心療内科を受診することをお勧めします。

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