兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年11月

【月曜】 増加する卵巣癌

 卵巣は子宮の両側に位置する親指大の臓器で、卵子の生成・成熟・排卵や性ホルモンの分泌を行う臓器であり、卵巣癌はこの臓器に発生した悪性腫瘍のことをいいます。

 最近は年間13,000例の卵巣癌が診断され、5年生存率は60%程度でしかなく、年間に約5,000人の方が死亡されるという疾患です。

 40歳代から発症率が増加し、50~60歳代が発症のピークとなりますが、若年女子でも発症することがあります。遺伝性卵巣癌というタイプも卵巣癌の1割弱を占めることがわかってきました。
 卵巣癌は初期の段階では症状が出にくいため、健診や婦人科診察時に発見されますが、見つかった時には進行していることが多い癌です。
 卵巣癌がどのようにして発生するかはいまだ不明で、卵巣癌の検診システムが確立されていないため、別の症状で婦人科を受診したときに、早期卵巣癌がたまたま発見されているのが現状です。
 卵巣癌の集団検診は技術的に不可能なので、卵巣癌の早期発見のために成人婦人は年に1回は婦人科を受診し、子宮癌検診と同時に卵巣の超音波検査を受けるのがよいでしょう。
 また不正子宮出血・帯下の増加等の症状で婦人科を受診したときに、卵巣の状態を調べてもらうことも重要です。
 卵巣の部分に腫瘍が発見されても、それが良性と診断されることがほとんどで、何もせず経過観察する場合も少なくありません。
 しかし、将来的に腫瘤が増大して手術の必要が生じたり、悪性化する可能性があるので、必ず定期的に受診し経過を見ることが重要です。女性性器癌は子宮癌だけでなく卵巣癌にも十分注意する必要があります。

 

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