兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2022年12月

【金土日】医薬品の供給不足問題について

 薬局でお薬をもらおうとしたら、いつもと違うメーカーのお薬に変わっていた事はありませんか?いま全国的規模で、お薬の供給が滞っています。
 医薬品供給困難のきっかけは、2020年12月の福井県のジェネリック医薬品メーカーの不祥事事件から始まりました。爪水虫などのカビの治療薬に、睡眠導入剤の成分が混入し健康被害が起こった事件です。その後、製薬メーカーが製造工程の再点検を実施したり、製造工程調査を受けたりしました。その結果、様々な違反が発覚し、医薬品の回収、製造中止や業務停止勧告などが生じました。
 製造が止められたメーカーの影響で、他のメーカーの同じ成分の商品の供給が急に増えて製造が追いつかず、医薬品が入手しにくい状況が起りました。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な影響で、薬の製造や流通がスムーズにいかないことも供給困難の原因の一つです。
 また、ジェネリック医薬品のみならず、先発医薬品まで手に入りにくくなりました。薬の供給不足問題は、留まることなく続いています。
 薬局では、患者様の治療継続のため、いつも服用していただいている薬がすぐに手に入りそうもない場合、他のメーカーで同じ成分の薬を取り寄せるよう努力しています。また、他のメーカーで同じ成分の薬が販売されていなければ、医師に問い合わせて同じ効能効果をもつ異なる成分の薬に変更してもらう相談をしています。
 決して不安に思わず、しっかりと説明を聞いていただき、飲み忘れや飲み間違いがないようにして下さい。たとえ同じ成分の薬であっても、製薬会社が変われば添加物が異なることもあります。万一、不調を感じたらすぐ相談して下さい。我々医療従事者は、医薬品供給困難の渦のなかでも、患者様に安心してお薬を飲んでもらえるよう最大限の工夫をしています。安心してお薬の服用を継続していきましょう。
 その為にも、いつもの、かかりつけ薬局で処方された薬をもらうようにして下さい。患者様の健康を維持できるよう喜んで、お手伝いをしていきます。

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