兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2023年2月

【火曜】 冷え性と漢方

 日本人女性に多い冷え症と漢方についてお話を致します。
 健康な人なら寒いと感じない程度の気温でも、手足、背中や腰などが自覚的に冷たく感じられる場合を一般に「冷え症」と呼んでいます。
 生まれつきの虚弱体質、高齢、あるいは、術後、産後、大きな病気などにより東洋医学でいうところの気と血(けつ)が不足している方は、手足の冷えが激しい強い傾向があります。
 漢方における冷え症は、身体の外部からの寒(寒さ)、湿(湿気)などの外的要因と、身体の内部において、①体が温かいことを陽気といいますが、その温める為の陽気不足、②水分代謝が失調して水捌けが悪くなる、③血流が滞るなどの要因が相まって冷え症状をあらわすものと考えられています。
 それでは、これら①、②、③に当てはまる具体的な例と処方名を挙げてみましょう。①には3つの例、②、③には各々1つの例です。
 ① -1 心臓の心(しん)、腎臓の腎(じん)の陽気が不足している虚弱体質の方や高齢者の方には「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」で心と腎の陽気を補います。
 ① -2 元々血の少ない方が外気や冷房により冷えて腹痛や嘔吐を生じた場合には「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」を用いて、血を増やし、血の通りを良くします。
 ①-3 生まれつき胃腸が弱く、みぞおちが冷えて水の様な唾液が多く、食欲不振、下痢軟便、胸痛を訴える場合には「人参湯(にんじんとう)」で陽気の生産工場である胃腸機能を立て直し改善します。
 ②  全身の水分代謝を支配調節している腎の陽気が不足すると、水が巡らなくなる為に水分が全身にあふれて冷え症と共にめまいや動悸、下痢、腹痛を生じます。この場合には「真武湯(しんぶとう)」を用いて過剰な水分を尿として排出して改善します。
 ③ 体内で血液が滞って円滑な流通が出来なくなった症状を瘀血(おけつ)と言います。手足が冷えて顔はのぼせ気味、月経異常等を生じる場合には「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」で下腹部等の血液の停滞を除くことにより流通を改善します。
 以上、ごく一部の処方についてのみ簡単にお話致しました。まずは、お近くの漢方を扱っている医療機関を受診され、ご自身の冷えに最も適合する処方を服用されることをお勧めします。

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