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健康情報テレホンサービス

2023年2月

【月曜】 小児のてんかん

 てんかんという病気は、脳の神経の細胞が突然異常な興奮をしめすことによりおこるものですが、電気回路がショートしてパチッと火花が飛ぶようなイメージを持っていただけるとよいと思います。普段は電気回路が正常に働いているように見えて正常な機能を示しているのですが、何らかの原因で普通と違う電気が走ってしまい、一時的に機能がマヒしてしまうという現象に似ています。
 てんかんという病気は、2回以上慢性的に熱のないてんかん発作を起こす病気であるという定義があります。てんかん発作というのは、大脳の皮質という部分の神経細胞の異常な興奮や、異常な抑制状態による症状を言います。
 このてんかんの定義には、脳波の異常の有無は関係ありません。なぜなら、てんかんであっても普段の脳波に異常のない人もいるためです。逆に、脳波の異常があっても発作はなく、したがっててんかんでも何の病気でもない人もいます。従って脳波の異常の有無はてんかんであるか、そうでないかの診断にはあまり役にたちません。
 てんかんは、発作が何回かあって初めて診断のつく病気です。発作が1回だけ起こっただけではてんかんという診断はつかず、「機会性発作」と呼び、治療を開始しないことが多くあります。繰り返しますが、これは脳波の異常があっても同じです。
 てんかん発作が起こっている間はてんかんの症状が出ていますが、発作のないときは通常はその症状はありません。てんかん発作と似たような症状を出す病気もありますが、基本的に大脳の皮質の異常な活動による症状がてんかん発作です。似たような症状で実際はてんかん発作ではないのに、てんかんとして治療されていた方もおられます。
 子どものてんかんにも、いろいろなタイプがあります。大人のてんかんにくらべると、薬を中止できるタイプも多いです。このような慢性的な疾患で長期間にわたり薬が必要なものの場合、その疾患の専門医に診てもらうことも重要なことでしょう。

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