兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2023年6月

【月曜】 目のかすみ

 視界全体が、霧がかかったように見える、いわゆる「目のかすみ」を医学用語では「()()」と言います。霧視を生じる原因には様々なものがあります。

 少し時間が経つと治るような一時的な眼のかすみには、「遠視、近視、乱視などの屈折異常がメガネなどで適切に矯正されていない場合」や「老眼」、「眼精疲労」などがあります。特に、最近ではスマホやタブレットを長時間見続けることで生じる「デジタル眼精疲労」が増えています。本が30cm程度の距離で読むのに対し、スマホは文字も小さく20cm程度と至近距離でピントを合わせ続けます。また、画面を集中して見ることによる瞬きの回数の減少や、デジタルディスプレイのまぶしさによって「デジタル眼精疲労」が生じると考えられています。対策として、30分毎の休憩や加湿器による眼の乾燥予防などが推奨されています。そのほかに「目のかすみ」を生じる原因として、緑内障、ドライアイ、白内障、ぶどう膜炎などの病気があります。目のかすみが続く、休息や睡眠をとっても回復しない、症状が日を追って強くなる、視界のぼやけや目のかすみ以外の症状もある場合には、できるだけ早めに眼科を受診してください。

 特に、緑内障は視神経が障害を受けて視野が欠けていく進行性の病気です。失われた視野を回復することはできず、進行を止める、ゆるやかにする治療しかできません。40歳以上の約20人に1人は緑内障と考えられていますので、けっして珍しい病気ではありません。早期発見と適切な治療の持続が重要です。

 緑内障の主な症状は視野の欠損ですが、通常、人は両目で物を見ているために視野の欠損に気づかず、「目のかすみ」で受診されて緑内障が発見されることも少なくありません。適切な治療を行い、眼圧をコントロールすることで、視野欠損の進行を予防できます。

 眼のかすみを感じた際は自己判断せず、一度は眼科で診察を受けてください。

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