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健康情報テレホンサービス

2023年11月

【木曜】アレルギー性結膜炎

 アレルギー性結膜炎は小さい子どもから、高齢の方まで起こりうる非常に身近な病気です。結膜炎はアレルギー性、細菌性、ウイルス性と大きく3つに分かれます。アレルギー性結膜炎がほかの細菌性、ウイルス性結膜炎と大きく違うのは、かゆみがあることと伝染しないことです。

 症状としては、かゆみやごろごろ感などの異物感、涙、白い目やに、ひどくなると白目のところが水ぶくれのようになることなどがあります。原因には通年性のものと季節性のものがあります。一年を通して起こる通年性アレルギーの原因は、ハウスダストや動物の毛があります。季節性アレルギーの原因は、3月から5月頃に起こるスギ花粉、その一か月ほど後に起こるヒノキの花粉、9月頃の秋に起こる稲の花粉のアレルギーなどが有名です。

 また、特殊な例として、ソフトコンタクトレンズをしている方の上瞼の裏によく起こる巨大乳頭結膜炎があります。コンタクトの物理的な刺激や、素材のアレルギーなどから起こり、ひどい時にはコンタクトを使用できなくなる時があります。

 いずれもひどい時はステロイド点眼が必要です。かゆみが収まり、結膜の状態が改善すれば、抗アレルギー剤の点眼で治療することになります。ステロイド点眼は非常に効果の高い良い治療ですが、長く使うと、特に子どもでは眼圧が高くなる副作用を起こします。

 眼圧の高い期間が長くなると子供でも緑内障のような症状を起こし、失明することもあるので、自己判断で点眼するのは注意が必要です。抗アレルギー剤はかゆみを止める作用はステロイドよりマイルドですが、ステロイドを含まないため長期に安全に使えるというメリットがあります。また、かゆみを抑えるだけでなく、かゆみを出さないという効果もあり、特に季節性のアレルギーにはかゆくなる2週間~3週間前からの点眼が効果的です。

 また、アレルギー性結膜炎はアトピーや皮膚の弱い方、ドライアイの方は重症になりやすいです。特にドライアイの方は、目に入ったアレルギーを起こす物質であるアレルゲンが、涙で薄まらないのと、涙で目から鼻に排出されません。そのためアレルギー症状が強く出るので、ドライアイの治療が必要です。

 いずれにしても気になる症状があれば早めの眼科受診を心がけてください。

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