兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2023年11月

【火曜】オーラルフレイル予防

 「フレイル」という言葉をご存じでしょうか?

 人は年を重ねると、体や心の働きが徐々に衰えてきます。「フレイル」とは、「虚弱」などと訳される言葉で、健康な状態から介護が必要な状態になるまでの間の状態のことをいいます。「オーラルフレイル」というのは、お口周りの「フレイル」です。

 お口の周りの機能が衰えると起こることは、例えば、食べ物が飲み込みにくい、固いものが食べられない、汁物やお茶などでむせる、しゃべりにくい等が挙げられます。

 加齢や生活習慣などで歯周病が進行したり、虫歯ができて歯を失ったりすることで、お口の機能が衰えてきます。それを放っておくと、固いものなどが噛みにくくなり、食事量が減少します。そして、食べられなくなることで体重が減り、筋力も落ちてしまう、という悪循環に陥ります。一度お口の機能が落ちてしまうと、元に戻すことは困難です。「オーラルフレイル」が進行する前に予防することが重要です。

 予防には、まずはお口周りの運動を行いましょう。舌や唇、頬をしっかりと動かし、機能を維持することを心掛けてください。

 毎日のお口の清掃も大切です。特に寝る前は丁寧に歯を磨くようにしてください。お口の中が汚れたまま寝てしまうと、その汚れが肺に入ってしまい、誤嚥性の肺炎を引き起こすこともあります。

 食事も重要です。軟らかいものばかりではなく、肉、魚、野菜、ごはんなど種類とバランスの取れた食事を心がけてください。

 歯やお口のトラブルは、はじめのうちはなかなか自覚しにくいものです。痛くなってから歯科医院を受診するのではなく、問題がないうちに定期的に診てもらいましょう。虫歯があれば治療し、歯がないところは入れ歯等で補うようにして、お口の機能を維持できるようにしましょう。

 いつまでも元気に暮らすには、「フレイル」の予防が大切です。毎日の生活の中でお口の健康に関心を持ち、かかりつけの歯科医院を定期的に受診するようにしましょう。

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