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健康情報テレホンサービス

2024年2月

【水曜】片頭痛

 片頭痛は、おおよそ10人に1人の方がかかっているとされています。仕事や家事、学校生活といった日常生活の障害度はあらゆる疾患のうち第2位です。さらに問題は、好発年齢が10代から50代で、特に生産年齢層、つまり働き盛りの人々の生活が大きく障害されているということなのです。また、女性の罹患率は男性の約4倍と女性の比率がとても高く、お天気や月経周期に伴って発作が起きる方も多いです。

 片頭痛の症状はただ単に頭が痛むというだけではありません。視覚や視野の異常、嘔吐や吐き気、めまいや耳鳴り、光や音、臭いに過敏になるなど、様々な症状を伴います。時に、片側の手足の脱力や失語、意識障害などを来すこともあります。広義の頭痛発作は4,5日程度続くと考えられていて、頭痛発作の数日前から、全身のむくみやのコリなどが始まり、生あくびなども出るようになります。発作直前に閃輝暗点という視野の一部が欠けたり、ギザギザの光が見えたりする人もいます。その後、多くの場合は脈打つようなドクドクとした強く激しい頭痛がやってきます。頭痛は徐々に痛みの性質と状態を変えながら4時間から72時間程度継続します。また、発作中は嘔吐などの頭痛以外の症状もあるのが特徴です。重度の発作になると、簡単な日常動作すらも困難となるために、仕事や学校を休まざるを得なくなることもあります。

 頭痛を我慢していると徐々に重症化することがありますので、発作時には、すぐに薬を飲む方が良いでしょう。一方で、市販薬にはカフェインや鎮静剤など薬物依存のリスクが疑われる成分も含まれており、薬物乱用性頭痛も併発することもあります。現在は、片頭痛専用の頓服薬もあり、鎮痛薬よりも良く効く場合が多いです。

 また、頓服薬の使用が増え過ぎてもよくありませんので、その時には予防療法を併用します。いわば、片頭痛の体質の改善をしておくような治療です。今は安全で非常に良く効く予防薬も色々と開発されています。

 片頭痛は、単なる体調不良ではなく、れっきとした神経疾患で、治療可能な病気です。脳腫瘍や脳出血といった恐ろしい頭の病気でないことを確認しておくことも重要ですので、主治医または専門の医療機関を受診しましょう。

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