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健康情報テレホンサービス

2024年3月

【月曜】ふたりで適切な避妊を

 現在一般的に行われている避妊方法はコンドームです。コンドームは性感染症を防ぐメリットもありますが、男性主体の避妊方法であり、失敗することもあります。100%の避妊方法はありませんが、複数の避妊方法を組み合わせることで100%に近づけることができます。本来は男性のみならずお二人で避妊を行っていく必要があります。

 それでは、女性側にどんな避妊方法があるか見てみましょう。

 よく知られている避妊法として「低用量ピル」があります。排卵を止めたり、受精卵がもぐり込む子宮内膜を薄くして着床しにくくしたり、排卵期のおりものを減らすことで精子が入りにくい状態にしたりして、妊娠を防ぐ方法です。「低用量ピル」の他のメリットとして、月経周期が整う・生理痛や生理の量が減る・肌がきれいになるなどがあります。デメリットとしては、毎日決まった時間に内服する必要がある・血管の中で血が固まりやすくなるなどがあります。特に血が固まりやすくなる血栓症は、脳梗塞や心筋梗塞の原因となることがあり、40歳以上の方や喫煙者、肥満のある方には勧められません。

 他に「子宮内避妊リング」があげられます。これは精子が入りにくくしたり、受精した卵が子宮に着床しにくくしたりするものです。子宮内に挿入するもので、産婦人科医による診察が必要となります。経膣分娩の経験がある方に向いていますが、経膣分娩の経験のない方でも挿入は可能です。メリットとして、毎日避妊のことを考える必要がなくなること、一度挿入すると2~5年は使用できることなどがあります。また、生理痛や経血量の軽減が期待できるものもあることや、同じ期間ピルを内服するより費用が安く抑えられることもあります。デメリットとしては、人工物を子宮内に挿入・留置しますので、感染症や不正出血を起こすことがあります。また子宮内膜ポリープや子宮筋腫など子宮内の変形があると、ずれたり抜けてしまうこともあります。

 この他、基礎体温からの「オギノ式」と呼ばれる方法もありますが、毎日基礎体温を測る必要があります。健康管理の観点からは基礎体温の測定は勧められますが、避妊の確率は高くありません。また最近は緊急避妊法としてアフターピルもあり、比較的高い確率で避妊ができるとされていますが、これも100%ではありません。

 セックスはお二人で楽しむものです。望まない妊娠をしてあとで悲しむことのないよう、避妊についてきちんと向き合いましょう。

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