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健康情報テレホンサービス

2024年4月

【月曜】無菌性髄膜炎

 髄膜とは脳と脊髄を覆う膜のことで、そこが何らかの原因で炎症を起こすのが髄膜炎、そして無菌性髄膜炎の無菌は菌が無いと書きます。

 "菌がいないのに髄膜炎ってどういうこと?" と、多くの方が感じる疑問から話していこうと思います。

 新型コロナの流行によって、感染症という言葉が広く知られるようになりましたが、この感染症の原因は大きくウイルス、細菌、真菌、寄生虫に分かれます。

 この分類で、 細菌を原因として起こる髄膜炎を細菌性髄膜炎、または化膿性髄膜炎と呼び、 真菌を原因とするものを真菌性髄膜炎、 主にウイルスを原因としますが、 寄生虫や感染症とは関係のない薬剤を原因とする髄膜炎などを合わせて無菌性髄膜炎と呼んでいます。

 症状は発熱、頭痛、嘔気、嘔吐が主で、髄膜刺激兆候と呼ばれる、首が回りにくい・首を前に傾けにくくなるなどの症状を伴うことが多くあります。

 髄膜炎の場合、どの原因でも多くの例で症状が強くなること、そして細菌性髄膜炎との区別が難しいこともあり、基本的には入院での対応になります。

 入院後、髄液検査などを行い、細菌性や真菌性の原因が否定された場合に無菌性髄膜炎という診断がつくことが一般的ですが、最近はPCR検査を用いて正確な診断をつけることも出来るようになってきました。

 普段の風邪より症状が強く、嘔吐や首周りの違和感などが強い時に無菌性を含めた髄膜炎を疑うことになりますが、小さなお子様の場合は、症状が分かりにくいこともあります。

 細菌性髄膜炎との鑑別が症状からだと難しいこともありますので、気になった時はためらわずかかりつけ医療機関を受診してください。

 無菌性髄膜炎の原因は数多く、広い範囲に及びますが、手洗い、うがい、マスクなど一般的な感染予防策は多くの原因に 対して有効ですので、体調を整えることも合わせて普段から感染症への注意を怠らないことを心がけていきたいですね。

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