2024年11月
【金曜】ガングリオン
ガングリオンは、主に関節の近くにゼリー状の物質が詰まった袋状の腫瘤ができる病気で、いわゆる腫瘍ではありません。腫瘍のような良性のできものです。
多くは、手のまわりにできますが、まれに、足の指や足首、膝の裏などにできることもあります。
大きさは、米粒ほどのサイズから、ピンポン球ほどまで大きくなることもあります。
症状としては、腫瘤そのものが痛むことはありませんが、周囲の組織を圧迫するため、違和感や不快感があることが多く、近くの神経を圧迫することにより、痛みやしびれを感じることもあります。
ガングリオンができる原因は、はっきりとはわかっていません。若い女性に多く見られますが、必ずしも、手を多く使う人に見られるわけではありません。
診断方法としては、発生部位や腫瘤の形状を診察でしっかりと確認し、画像検査として、超音波検査やMRI検査を行います。
ガングリオンは良性の病変ですので、日常生活に支障がなければ放置してかまいません。ただ、だんだん大きくなってくる場合や、周囲の組織や神経を圧迫し、痛みやしびれが出て、支障をきたすようになったり、手などで目立つようになって、気になったりする場合は、注射器で内容物を吸い出す方法が有効です。また、ガングリオンに外から力を加えて押しつぶす方法もあります。
再発を繰り返し、痛みやしびれ、日常生活に支障をきたす場合は、手術により摘出することもあります。手術しても再発する可能性があり、再発を予防するためには、ガングリオンの発生部位である関節包や腱鞘まで確認して切除する必要があります。切除を希望される場合は、骨軟部腫瘍の専門医や手の外科の専門医に相談して治療を受けることをお勧めします。
非常にまれではありますが、ガングリオンと思っていたら、実は悪性の腫瘍だったというようなケースもあります。安易に自己診断せず、まずは、専門医を受診してください。