2025年5月
【水曜】肩こりとしびれ
肩こりとは、首から肩・背中にかけて、張った感じ、時に痛みを感じるような現象であり、頭痛や吐き気を伴うこともあります。
肩こりは、日本人に多いとされています。これは、欧米人と比較して、日本人は筋肉量が少ないことが原因とも言われています。
肩こりは、首から肩にかけての筋肉の過緊張によって起こります。その緊張でさらに血の流れが悪くなり、肩こりが慢性化します。
首や肩周りの筋肉が緊張するような姿勢を長く続けること、例えば、デスクワークで、長時間下を向き続ける作業をした場合や、最近では、スマホやパソコンを長時間見続けることなどが肩こりの原因となります。また、元々姿勢が悪い人や、運動不足、片方の肩にバックをかけて歩く人、冷房による冷え、枕の高さや固さなども肩こりの原因となります。
肩こりの予防は、同じ姿勢をとり続けないことです。仕事中であっても適度に休憩を入れ、肩を上げ下げしたり、首を左右に傾けたりしましょう。枕の高さや固さは、好みがありますので一概には言えませんが、起床時に首や肩の張りを強く感じたり、痛みが出るようであれば不適切です。首のカーブに合うような枕を選ぶのが良いでしょう。お風呂で体を温めてリラックスするのもお勧めです。
普段から運動をしている方は、肩こりが少ないと言われています。1週間に2日から3日ほど、ウォーキングやストレッチを日常生活に取り入れてみましょう。全身運動は、肩こりのみならず、整形外科を受診する方の中で最も訴えの多い、腰痛や膝の痛みの予防にもつながります。
それでも肩こりが治りにくい場合は、かかりつけ医や整形外科で診察を受けましょう。検査を行って原因を突き止めた上で、生活習慣の改善指導、飲み薬や湿布の処方、注射治療、リハビリテーションなどの治療を受けることができます。
注意すべき肩こりは、しびれを伴う場合です。しびれが、腕や肩回り、指先にまで生じた場合は、頚椎椎間板ヘルニアや頸動脈の狭窄が原因のこともあります。時に、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血の前触れのこともあります。
しびれが出てきた時には、早めにお近くのかかりつけ医や、整形外科専門医を受診して下さい。