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2025年7月

【木曜】胸椎圧迫骨折

 胸椎圧迫骨折とは、背骨のうち背中の真ん中にある胸椎が押しつぶされるように変形し骨折する状態をさします。特に高齢者に多く、転倒や軽い衝撃、特にしりもちをついたときに骨折することもあります。また交通事故やスポーツでの強い衝撃によって発生することもあります。

 主な症状は、背中の痛みです。特に体を動かす際に痛みが強まり、横になって安静にすると軽くなることが特徴です。骨折直後には強い痛みを感じますが徐々に軽減するため、肩こりや腰痛などと自己判断して受診が遅れることもあるため注意が必要です。また複数の圧迫骨折を起こすと、背中が丸くなってしまい身長が縮んでしまうこともあります。

 骨折の診断には、レントゲン検査やMRI検査が用いられます。圧迫骨折はレントゲンで確認できますが、骨折直後では見つかりにくいこともあるためMRI検査が有効です。背中の痛みが長引いている方は、一度MRI検査が可能な病院を受診してください。

 さて、治療法ですが保存療法と手術療法の2つがあります。軽度の圧迫骨折ではコルセットを装着して背骨を安定させ、痛みを和らげる治療を行います。また安静とともに痛み止めの薬を使用することもあります。

 一方で、強い痛みが続く場合や骨折が進行している場合には、手術を検討することもあります。

 胸椎圧迫骨折を起こしてしまうと日常生活に支障をきたしてしまい健康寿命が短くなってしまいます。人生100年時代と言われている昨今、骨折を予防することが大切です。そして胸椎圧迫骨折の多くは骨粗鬆症と関係があり、骨密度を維持することが骨折予防につながります。

 そのためにはカルシウムやビタミンDを多く含む食事を取ることを心がけ、適度な運動を行うことが骨折予防への第1歩です。運動では特に、ウォーキングや軽い筋力トレーニングは骨を丈夫にするのに役立ちます。また、転倒を防ぐためにも家の中の段差をなくしたり、外出時に滑りにくい靴を選んだりすることも重要です。

 胸椎圧迫骨折は、適切な予防と早期治療によって、痛みや生活への影響を最小限に抑えることができます。背中の痛みが続く場合は、早めにかかりつけ医に相談しましょう。

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