2025年7月
【月曜】ドライアイ
ドライアイとは色々な原因により涙の調節が低下する病気であり、目の不快感や見る機能の異常が生じるものです。正常な涙というのは油の層と水分の層との二重構造になっており、その二つの層と目の表面との3つの要素がうまく関与しあっていないと涙の調節は正常には保たれません。
ドライアイの自覚症状は「乾く」だけでなく、「ゴロゴロする」「痛い」、また「かすみ目」、「疲れ目」、「充血」などの乾くことと関係なさそうな症状もあります。
さらに、目が乾くことにより反射的に涙の量が増加し、「涙がたまる」など乾くこととは正反対の症状を訴える方もおられます。
ドライアイには大きく分けて2つのタイプがあります。
涙の量が少なくなっているものと、涙の分布がうまくいっていないものに分けられます。基本的にはどちらも点眼薬での治療になります。一般市販薬では点眼薬は細かく分かれていませんが、眼科で出されるものはタイプ別に、使用する点眼薬が少し違います。
涙の量が少なくなっている場合は涙と似た成分の点眼薬で、目の表面の水分量を補充する点眼薬を使います。涙の流れが適当でない場合は目の表面の涙の貼り付きを改善する点眼薬となります。
点眼薬以外の治療法としてはまずは涙点プラグによる治療があります。これはまぶたの端にある涙の排水溝にプラグで栓をする治療法です。涙の量が少なくなっている方に使われます。プラグは簡単に装着でき、切ったり痛かったりする難しい手術は不要です。また、効果がなければ簡単に外すことができます。
点眼薬以外の治療法として二つ目には温罨法(オンアンポウ)という治療法があります。自宅で簡単にでき、手軽な治療法の1つです。疲れ目の方がよくやっているホットアイマスクがその方法です。ホットアイマスクは疲れ目やリフレッシュなどの効果のほかに、まぶたにあるサブの涙腺を刺激して涙の油の層を改善することが知られています。これにより涙の蒸発が抑えられ、かわき目を改善することができます。市販のホットアイマスクでなくても、お湯で絞ったタオルをつぶったまぶたの上にしばらく乗せてまぶたを温めるだけでも効果は期待できます。
冒頭に紹介した通り、ドライアイは目が乾くといった自覚症状以外にも色々な症状があります。目の表面の異常を感じたら、まずは眼科への受診をお勧めします。ドライアイであれば、どのタイプか診断を受け、それに合わせた適切な治療法を受けることをお勧めします。