2025年8月
【金土日】統合失調症と治療薬
統合失調症は、自分の悪口やうわさなどが聞こえてくる幻聴が起こる病気です。誤った内容を信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられず、いやがらせをされているといった被害妄想などの症状が起こります。およそ100人に1人が発症すると言われています。
統合失調症の原因は分かっていませんが、統合失調症になりやすい要因をいくつかもっている人が、ストレスで緊張などがきっかけとなり、発症するのではないかと考えられています。
1950年代に脳の神経伝達物質であるドパミン、セロトニンなどを調整することで、これらの症状に効果のある治療薬が開発されました。
治療薬が開発される以前は早発性痴呆といわれ、人格の荒廃に至るとされていました。入院が長期に及ぶことも少なくありませんでした。治療薬が使用され始めた1970年代より世界的に長期入院が減り、服薬することで自宅でも過ごせることが可能となりました。
治療薬は内服するもの、皮膚に貼るもの、月に1度注射するものなどがあります。副反応として、ドパミン遮断に伴うパーキンソン症候群、自律神経症状、耐糖能異常、悪性症候群などが起こることがあります。
副反応は心配ですが、得られる効果のほうがはるかに上回ります。
統合失調症は原因がよくわからないことに加え、突然自分の世界の感じ方や、物事を判断することが混乱状態となり、人権にかかわる問題になることがあります。警察が介入する必要となる事態が起こることもあります。経済的な問題、教育、家族にも影響します。
統合失調症は非常に再発しやすい病気であり、服薬を中止した場合、再発を繰り返すと言われます。
自立した生活や生きがいのある生活を送るためには、再発をできるだけ少なくすることが大切です。そのためには、適量の薬物療法を継続することが大変重要になります。
かかりつけ医または精神科を標ぼうする医療機関を受診しましょう。