2025年8月
【木曜】小児の吃音
吃音は「あああ、ありがとう」と言葉の始めを繰り返すパターン、「あーのね」と引き伸ばすパターン、絞り出して言葉を出すようなパターンを中心として、2~4歳の頃に出現することが多いです。親としては驚き、戸惑うことがあります。疲労や環境の変化などの影響を受け、吃音の症状がよくなったり悪くなったりすることがあります。7〜8割は、お子さんのことばの能力が成長していく中で、自然治癒していくといわれています。
症状が出る原因には、体質的な要因や運動・言語・情緒の成長などの発達的要因、周囲との関係や生活上の出来事といった環境的要因が考えられますが、原因は定かではありません。
吃音かも知れないと気づいた際には、まずは「子どもの話を最後まで聞く」「日常生活での注意を減らす」など、家庭で自由に伝えたいことを言える環境づくりを試してみて下さい。また、親子で吃音について話ができる関係づくりを心がけましょう。お子さんの「聞いてほしい」「話したい」「どうしてつまるの?」といった気持ちに寄り添って対応していくことが好ましいです。
幼児であれば、普段からの適切な声掛け、関わり方などの環境を整えることが大切です。小学校へ行く年齢以降は、先生の対応や周囲の友達関係に大きく影響されます。吃音をからかわれる、発表や音読で思ったように話せない、といった経験をすることで、自分自身をマイナスに捉えることがあり、心理的側面への配慮が必要になってきます。学校生活で周囲の理解や配慮などの環境を整えること、楽な話し方を学ぶこと、吃音に対しての悩みや相談に応じていくこと、知識や向き合い方を学ぶなど多方面でのアプローチが重要になります。
また思春期以降では、吃音の自助団体に参加することで、悩みや不安を共有し、吃音と上手に付き合うための考え方を知ることができます。
子どもが吃音でうまく話せない、またはストレスに感じている、子どもに合った対処法がわからない、園や学校と連携を取りたい、吃音のことを理解する方法を知りたいといった悩みがある場合には、言語聴覚士が所属する病院・施設やことばの教室に相談をしてみましょう。