兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2025年8月

【月曜】低出生体重児

 出生時の体重が2500g未満の赤ちゃんを「低出生体重児」と呼びます。また、低出生体重児の中でも特に1500g未満の赤ちゃんを「極低出生体重児」、1000g未満の赤ちゃんを「超低出生体重児」と呼びます。日本では出生数は年々減少していますが、低出生体重児の数は毎年増加しています。1980年には全体の5.6%だったのに対し、2022年では9.4%と、出生児のおよそ10人1人が低出生体重児となっています。新生児医療の進歩により小柄な赤ちゃんを救命できるようになったことや、不妊治療による双子や三つ子の赤ちゃんが増えたことなどが要因として挙げられます。

 生まれたときは小柄な低出生体重児ですが、身長・体重などの体格は次第に追いついてくることが多いです。一部の低出生体重児は小柄なまま成長しますが、3歳時点でまだ小柄であった場合、出生時の体格によっては成長ホルモンによる治療ができる場合もあります。3歳児健診で体格を確認してもらうようにしましょう。

 言葉や運動などの発達に関しても、在胎35週から37週未満の少し早く生まれた赤ちゃんであれば、ほぼ通常通りと考えて問題ありません。もちろん、極端に早く小柄に生まれた赤ちゃんでは種々のサポートが必要になる場合もありますが、多くは予定日近くで生まれた赤ちゃんと遜色なく成長してくれます。

 予定日よりも早く生まれた赤ちゃんの成長や発達は、修正月齢といって予定日を基準に考えていく必要があります。ただし、予防接種は実際に生まれた日を基準に、できるだけ速やかに接種するようにしてください。

 早産児・低出生体重児は大きくなってからも病気になりやすいのではと心配になるかもしれません。確かにお母さんから受け継ぐ免疫力はやや少なくなるため、生まれてしばらくは少し注意が必要です。しかし、成長とともに免疫力もしっかりと追いついてくれることが多いので過度に心配する必要はありません。学校生活や部活動などを頑張っている子もたくさんいます。

 色々と不安になることも多いかと思いますが、その子自身のペースにあわせて、焦らずゆっくりと成長を見守ってあげることが一番大事です。

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