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健康情報テレホンサービス

2025年11月

【月曜】四十肩、五十肩のはなし

 「四十肩、五十肩」は、ほぼ言葉の通り、40歳代からの中年以降に多く、肩の関節や二の腕の痛みが起こって、腕を挙げにくくなる状態を言います。

 多くは1年前後で自然に回復するものですが、対応の仕方によっては、長期にわたって動きが悪くなることもあります。

 「四十肩、五十肩」の原因は、肩の周囲の炎症によるものと考えられています。これは肩関節という場所が複雑に、骨や腱、筋肉や関節液が組み合わさっている特殊な構造(肩峰下滑液包、腱板、関節包、烏口突起、上腕二頭筋長頭腱など)と関係があります。

 以前は、「四十肩、五十肩」と「肩関節周囲炎」は同じ意味でしたが、最近は、原因と病態の明らかな疾患以外の、「原因のはっきりしないその他のもの」を、狭い意味の四十肩、五十肩としています。

 病状の経過は、痛みが出て悪化する時期、痛みで肩関節が動きにくくなる時期、回復に向かう時期、という3つの時期に分けられます。

 治療としては、痛みが強い時期は、それを抑えるために痛み止めの湿布や飲み薬を用います。肩の安静も必要なことです。しかし、痛みで肩関節が動きにくくなる時期に肩を長く動かさないでいると、肩の拘縮、つまり固まってしまって、動かしたくても動かせない状態になることもあります。それを防ぐために、湿布や入浴で痛みを取りながら、かなり早くから運動療法をしっかり行うことが大切です。

 ヒアルロン酸の関節注射や、ブロック注射を適宜使用します。運動療法は「アイロン体操」と呼ばれるものが昔から有名です。アイロンを振り子のように振るものですが、実際は、軽めのダンベルの方がいいでしょう。その他、滑車を用いる方法、棒を用いる方法などいろいろな体操が工夫されていますが、要は「腕がこれ以上挙がらない」という所まで、少し痛くなる所まで努力することが重要です。

 肩関節の痛みがあっても五十肩とは限りません。肩腱板断裂、石灰化腱板炎、変形性肩関節症などがあります。受診のうえ、適切な診断・治療を受けることが必要です。

 痛みが続くようであれば、できるだけ早い時期に整形外科を受診されることをおすすめします。

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