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健康情報テレホンサービス

2025年12月

【金土日】めまい

 めまいは誰にでも起こり得る身近な症状のひとつです。「ぐるぐる回る」「ふわふわする」など、感じ方は人によってさまざまです。

 よく知られているのは耳からくるめまいで、代表的なものにメニエール病があります。耳の奥に水ぶくれが繰り返し起こる病気で、めまいのほかに耳鳴りや難聴を伴うことがあります。もうひとつは、耳の中にある「耳石」という小さな粒が原因で起こるめまいで、寝返りや頭の向きで短時間の強いめまいが出るのが特徴です。

 また、めまいに突発的な難聴を伴う場合は注意が必要です。放っておくと聴力が戻りにくくなることがあるため、できるだけ早期に受診することが大切です。

 一方で、耳だけが原因でないこともあります。頭痛に関連してめまいが出ることもあります。片頭痛の発作と同時にふらつきを感じたり、頭痛は軽くてもめまいのほうが強く出ることもあります。

 さらに、脳や血圧の異常が背景にあるめまいもあります。小脳や脳幹に異常があると体のバランスが崩れます。立ち上がったときに血圧が急に下がって目の前が真っ暗になる「立ちくらみ」もそのひとつです。特に、めまいに手足のしびれや呂律が回らない感じが伴う場合は脳卒中の可能性があり、救急受診が必要です。

 また、長く続くタイプのめまいもあります。強い発作をきっかけに、ふわふわ感や不安定感が何か月も続くことがあり、ストレスや不安が関係する場合もあります。お薬の副作用や薬の飲み過ぎが原因でめまいが起こることもあり、とくに高齢の方では複数の薬を服用していることが多いため注意が必要です。

 高齢の方では、めまいが転倒や骨折につながる危険があります。年齢とともに筋力や体のバランス機能が衰え、ふらつきやすくなるためです。その結果、転倒から骨折、寝たきりや認知症へとつながることもあり、たとえ軽いめまいでも生活の質に大きく影響することがあります。

 このように、めまいには耳からのもの、頭痛に関連するもの、脳や循環に関わるもの、薬の影響によるもの、長引くもの、高齢者特有のリスクまで、さまざまな背景があります。外からは分かりにくく、周囲に理解されにくい症状ですが、決して珍しいものではありません。

 症状が繰り返す、長く続く、日常生活に支障がでる――そんなときは「年のせい」と思い込まず、早めに受診してください。かかりつけ医や耳鼻咽喉科、神経内科などで相談することが、不安を減らし、安心した生活につながります。

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