兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2025年12月

【木曜】頭を打ったとき

 皆さんは日常生活の中で、転んだり、物にぶつかったりして「頭を打った」経験があると思います。大きなたんこぶができただけで済むこともありますが、頭の中で出血や損傷が起こっている場合もあり、その見分けは自分では難しいものです。
 頭を打った直後や比較的早い段階から意識が悪くなったり、強い吐き気や嘔吐、手足のしびれ、言葉が出にくいなどの症状が出ることがあります。これらは脳に大きな障害が起こっているサインかもしれません。こうした場合は夜間や休日でもためらわず救急車を呼ぶことが大切です。
 一方、頭を打った直後は何も症状がなくても、数時間から翌日にかけて具合が悪くなることもあります。最近では、高齢の方が血をさらさらにする薬を飲まれていることが多く、少しの衝撃でも脳に出血が広がる危険があります。また、スポーツでの頭の外傷が社会的に注目されています。繰り返しの衝撃は脳に負担をかけ、将来の認知機能にも影響する可能性があるといわれています。
受診前にできることとしては、まず安静にして様子をみることです。出血があるかどうかは外からは分かりません。氷や冷たいタオルで腫れた部分を冷やすことは有効ですが、「大丈夫だろう」と自己判断せず、症状が軽くても脳神経外科クリニックの受診をお勧めします。脳神経外科クリニックでは、施設にもよりますがCTやMRIをすぐに撮影できるため、頭の中の出血や損傷を早期に見つけることが可能です。
 特に、頭を打ったあとに不安を感じる場合は、「受診しなくてもいいか」ではなく「受診して安心する」ことが重要です。早く受診すれば治療の選択肢が広がり、重症化を防ぐことにつながります。
頭を打ったときは、自己判断に頼らず、少しでも不安を感じたらためらわず脳神経外科クリニックを受診してください。そして、意識が悪い、けいれんがある、激しい頭痛や嘔吐が続くといった場合には、ためらわず救急車を呼んでください。皆さんの安全と健康を守るために、ぜひ心に留めておいてください。

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