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健康情報テレホンサービス

2025年12月

【月曜】学習障害

 学習障害とは、知的に遅れはないのに、読む、書く、計算という学習面で非常に困難さが見られる特性です。自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如多動性障害(ADHD)と同様、発達障害に位置付けられ、これらに合併することもかなりあります。しかし知的に遅れがないことが定義になるため、知的障害と合併することはないので注意が必要です。

読むことが難しい「(どく)()障害」は、音読や黙読が正確にできず、文章読解が著しく苦手な状態で、国語だけでなく、将来的に全ての科目の理解ができないことに繋がります。書くことが難しい「(しょ)()障害」は、単に字が汚いのではなく、漢字の構造が覚えられず、小さい「っ」や小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」などが使いこなせない状態です。作文に苦手意識が強かったり、授業で板書にとても時間が掛かり、書きながら理解することができないため、学習面で支障が出ることになります。計算が難しい「算数障害」は、足し算、引き算の簡単な計算からつまずくことが多く、算数の授業がとても苦痛に感じます。計算だけでなく、お金や時間の計算も苦手であり、将来的に日常生活で困ることが増えてしまいます。読字障害、書字障害、算数障害は、全てが揃うわけではなく、単独で見られることの方が多いです。

 読字、書字、計算にかなりのエネルギーを使うため、勉強に対する拒絶が強くなります。通常の授業に付いて行くことは難しく、漢字にルビの付いた教材を使ったり、字を書かなくても良いようタブレット学習をしたり、数え棒や電卓などの補助ツールを使うなどの対応をします。苦手な科目に対しては、通級指導教室を活用したり、学習支援を専門に行う放課後等デイサービスを利用したりすることも有用で、とにかく勉強に対する苦手意識を減らすことが大切になります。

 学習障害の検査はかなり専門性が高く、どこの施設でも受けられる訳ではありません。一般的な知能検査を行い、知的障害がないか、ASDやADHDの合併がないかを評価し、学習面での困り具合から診断を付けることになります。ADHDの合併があり集中力が明らかに無いような場合は、集中力を高める薬物療法の適応も可能となりますが、一般的には学習障害のみの場合は、薬物療法により学習効果が上がることは期待できません。従って学習障害は、主に医療ではなく教育の分野の対応になります。

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