2026年2月
【火曜】医療機関の経営を支えるのは政府の役割 ―医療費拡大で地域を豊かに―
日本の医療機関が、いまかつてない経営難に直面しています。
全国で診療所の4割が赤字に陥っており、医療機関の倒産や廃業は過去最多ペースに達しています。小児科や産科、歯科では採算が合わず、閉院に追い込まれる例が後を絶ちません。こうした診療所や病院は、地域の「かかりつけ医」として、住民の健康相談や初期診療を担ってきました。その存在が失われれば、医療の最前線が空白になります。
地域医療を支える自治体病院も例外ではありません。全国846の自治体病院のうち86%が赤字、赤字の総額はおよそ3600億円に上ります。兵庫県では、県立10病院すべてが赤字で、合計128億円の損失が出ています。経営悪化の影響で入院用のベッドが休止され、救急や感染症医療にも影響が出ています。
国立大学病院でも42病院のうち33病院が赤字で、その赤字額の合計は約400億円に達すると見込まれています。このままでは、普段の医療だけではなく、医学教育や研究にも深刻な影響を与え、日本の医学レベルを落としてしまうかもしれません。
このような医療機関の経営危機の背景にあるのは、長年にわたる医療費抑制政策によって、医療機関の収入である診療報酬が抑えられてきたことがあります。診療報酬は国が定めた公定価格であり、民間企業のように価格を自由に上げることができません。特にこの数年の急激な物価の上昇や人件費の増加、医薬品や医療材料費の高騰の影響を受け、全国の医療機関の経営状況は圧迫されています。
医療は、人々の命と健康を守る社会の基盤です。医療を守ることは、地域を守ること、そして、私たち自身の暮らしと安心を守ることです。必要なのは、医療費削減ではなく、診療報酬を現実に見合う水準に引き上げる政策転換です。医療を「コスト」と見るのではなく、未来への「社会的投資」としてとらえる視点が求められています。






















