2026年3月
【火曜】高齢者の低栄養について
日本は世界一の長寿国ですが、人生百年の時代に入り、単に寿命を伸ばすだけではなく、自立して元気に過ごせる「健康寿命」をいかに延ばすことができるかが今後の課題です。
健康寿命を延ばすためには、生活習慣病の予防や、心の健康、運動の促進、食生活など幅広い分野についての改善があげられます。
健康な高齢期を充実して過ごすために、今日はその中から食生活についてお話ししたいと思います。
栄養の問題を考えるとき、最初に指摘されるのはこれまで肥満の問題でした。
肥満は糖尿病、高脂血症、高血圧症を引き起こし、さまざまな生活習慣病の原因となるため、肥満の防止が重視されてきています。
一方、低栄養状態や、低栄養の疑いのある状態の高齢者も意外に多いのです。
やせについてみると、男女とも70歳代になると、1割近くがやせの範疇に入っています。
現在では、高齢者においては低栄養が要介護状態を引き起こす大きな要因であることがわかってきました。
体重減少が6ヶ月に5〜8%生じると、免疫機能の低下、筋力の低下、呼吸機能の低下、温度調節機能の低下、うつ症状が観察されることが報告されています。
また、タンパク質の摂取量が不足すると、日常生活の動作に低下がみられるといわれています。
高齢者の低栄養は、複数の要因が重なることで起こります。
合わない入れ歯を我慢して食事が苦痛になったり、歯の減少などで咬めない、飲み込めない場合だけでなく、食事のときに話し相手がいなくて食事が楽しくない、いわゆる孤食であったり、外出して買い物をするのが困難で、食材を手に入れにくい場合なども、結果的に低栄養を招く偏った食事になりがちです。
このような弊害をもたらす低栄養に陥らないために、最近よく耳にする「多職種連携」つまり、医師、歯科医師、管理栄養士、言語聴覚士などが、うまく連絡をとり合い、連携することで食支援を実践していきます。
高齢の方本人、あるいは介助されている方が困ったり手助けが欲しい時、かかりつけの先生や、近くの地域包括支援センターに相談してみてください。地域レベルで手を差し延べられるような社会になりつつあります。






















