兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

指定障害者施設入所者の診療報酬の取り扱い ~会計検査院調査による指摘で診療報酬の返還求められる~

2013.09.05

 従来から、身体障害者を対象とした入所施設ならびに定員が150人以上の知的障害者を対象とした入所施設については、医師の配置が義務付けられ、特別養護老人ホームと同様に入所者に対して行った診療については診療報酬の算定制限が設けられていた。
 これが、障害者自立支援法の施行(2006年)に伴い、定員150人未満の知的障害者を対象とした施設を含めた全ての身体障害者・知的障害者を対象とする入所施設で医師を配置(常勤・非常勤・嘱託)することとされた。
 ただし、定員150人未満の知的障害者入所更生施設または知的障害者入所授産施設については、経過措置が設けられ算定制限が行われていなかったが、昨年3月末に経過措置が終了し、これらの施設でも入所者については、特別の必要があって行う場合を除き、初診料・再診料・往診料、特定疾患療養管理料等は算定できない取り扱いになった。
 今年の会計検査院の実地検査によって、これらの項目が指摘され、該当する医療機関に対して診療報酬の返還が求められている。
 なお、配置医師として契約していない場合でも、定期的に施設に赴いて診療している場合は、配置医師と同様の取り扱いとされるので、留意する必要がある。