兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

2019(令和1)年度の指導および監査の実施状況(兵庫県)

2020.12.05

 協会は近畿厚生局兵庫事務所より「2019(令和1)年度保険医療機関等の指導及び監査の実施状況報告書」(兵庫県)の開示を受けた。主な特徴点は下記のとおり。

個別指導は医科、歯科とも高い割合で「再指導」に

 個別指導の選定理由として「情報提供」によるものが、診療所(医科)27件のうち9件、歯科28件のうち6件であった。「再指導」によるものは、病院(医科)3件のうち3件、診療所10件、歯科17件となっている。
 「高点数」によるものは、診療所8件、歯科4件で実施されている。いずれも約100件近くの医療機関が「高点数」で選定されているが、実施されたのは一部となっている。
 個別指導後の措置では、「再指導」とされたものが、病院3件のうち1件、診療所27件のうち10件、歯科28件(中断による未措置1件含む)のうち9件と、医科、歯科とも「再指導」とされているものが高い割合で推移している。
 返還については、病院で1件10万8,924円、診療所15件1,008万1,251円、歯科19件664万6,099円となっている。

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新規個別指導でも半数近くが「返還」 歯科では2割が「再指導」に

 新規個別指導では、指導後の措置のうち「再指導」とされたものが、診療所115件(中断による未措置1件含む)のうち7件、歯科60件のうち2割に当たる12件とされ、新規個別指導でも「再指導」とされた医療機関がある。
 返還については、診療所50件103万5,236円、歯科27件29万7,838円と新規個別指導でも多くの医療機関で「返還」が求められている。
 監査では、診療所、歯科とも「取消」および「取消相当」と措置された保険医、保険医療機関が出ている。

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日常的な施設基準の確認が必要

 施設基準調査は病院のみ94件で実施され、返還は4件7,514万3,638円となっている。返還件数はここのところ減少傾向にあるが、今回も入院料関係で「専任の常勤医師が常時1名以上配置されていない」などの理由で多額の返還を求められているため、届出事項が合致しているか日常的な確認が必要である。
 病院の施設基準調査は、通常3年に一度のペースで適時調査が実施されることになるが、2020年度については、新型コロナ感染症拡大の影響により中止されている。

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通知が届いたら協会へ相談を

 協会では近畿厚生局および厚生労働省に個別指導や監査の改善を求めているが、医療機関においては日ごろからのカルテ記載、保険請求ルールの学習も不可欠である。
 個別指導等の実施通知が届いたらぜひ協会に相談していただきたい(医科電話078-393-1840、歯科電話078-393-1809)。