兵庫県保険医協会

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審査対策部だより

個別指導での主な指摘事項(医科)

2021.02.15

 2019年~2020年にかけて兵庫県下で実施された医科の個別指導(新規個別指導を含む)における主な指摘事項(入院外)を掲載する(近畿厚生局兵庫事務所開示文書より抜粋・一部編集)。末尾に「(返還)」の記載があるものは、自主返還が求められている。

 厚生局から個別指導等の通知があった場合は、協会事務局電話078-393-1840までご相談いただきたい。

Ⅰ 診療に係る事項

1 診療録等
  • ・保険診療の診療録と保険外診療(予防接種)の診療録とを区別して管理していない。
  • ・自家診療(職員)の診療録について、医師による日々の診療内容の記載が極めて乏しい。
  • ・電子的に保存している記録(編注:電子カルテ)について、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠していない。(代行操作の仕組みがない/代行入力を実施する場合の取扱いについて運用管理規定に定めていない/医師のIDを他の職員(看護師)が使用している)
  • ・診療録第3面に患者から徴収する一部負担金の徴収額が適正に記載されていない。
2 傷病名
  • ・「傷病名」欄について、1行に複数の傷病名を記載している。
  • ・症状、状態および所見等、傷病名とは言えない事項を傷病名欄に記載している。傷病名以外で診療報酬明細書に記載する必要のある事項については、摘要欄に記載すること。(例:着床障害)
  • ・傷病名の転帰を記載していない。
  • ・長期にわたる「疑い」の傷病名(例:肝機能障害の疑い、膵炎の疑い等)や、長期にわたる急性疾患等(例:急性胃炎)の傷病名など、傷病名を適切に整理していない。
  • ・部位や左右の別の記載がない傷病名がある。(部位:白癬(症)、湿疹等/左右の別:肩関節周囲炎症等)
  • ・検査、投薬等の査定を防ぐ目的で付けられた医学的な診断根拠のない傷病名(いわゆるレセプト病名)が認められた。レセプト病名を付けて保険請求することは、不適切なので改めること。診療報酬明細書の請求内容を説明する上で傷病名のみでは不十分と考えられる場合には、摘要欄に記載すること。(例:慢性胃炎)
  • ・その傷病を診断した経緯または根拠について診療録への記載が不十分。(例:アルコール性肝障害)
3 基本診療料
  • ・現に診療中の患者に対して新たな傷病の診断を行った際に初診料を算定している。(再診料との差額を返還)
  • ・再診に附随する一連の行為で来院したものについて再診料を算定している。(返還)
  • ・特定健診と同時に保険診療を行った場合に初診料を算定している。(返還)
  • ・外来管理加算について、患者からの聴取事項や診察所見の要点について、診療録への記載が不十分。
  • ・夜間・早朝等加算について、施設基準を満たしていない(1週間当たりの表示診療時間の合計が30時間未満であって、その他の基準も満たしていない)にもかかわらず算定している。(返還)
4 医学管理等
  • ・特定疾患療養管理料について、治療計画に基づく、服薬、運動、栄養等の療養上の管理内容の要点について、診療録への記載がない。(返還)
  • ・特定薬剤治療管理料1について、薬剤の血中濃度および治療計画の要点について、診療録への記載が不十分。
  • ・診療情報提供料(Ⅰ)で算定すべきところ、誤って診療情報提供料(Ⅱ)で算定している。(差額返還)
  • ・診療情報提供料(Ⅰ)について、
     (1)実際に交付した文書の写しを診療録に添付していない。
     (2)医療機関への受診行動を伴わない患者情報の提供依頼について算定している。(返還)
5 在宅医療
  • ・往診の根拠(患者等からの往診の求め、往診時間および場所等)について、診療録への記載が不十分。
  • ・在宅時医学総合管理料(施設入居時等医学総合管理料)について、在宅療養計画および説明の要点について、診療録への記載が不十分。
  • ・在宅自己注射指導管理料について、当該在宅療養を指示した根拠、指示事項および指導内容の要点について、診療録への記載が不十分。
  • ・介護老人保健施設入所者について、定期的ないし計画的に当該施設に赴き、診療をした場合に算定している。(返還)
  • ・訪問看護指示料について、指示書の交付日の記載がない。実施に交付した指示書等の写しを診療録に添付していない。
6 検査
  • ・超音波検査について、同一の方法による場合は、部位数にかかわらず1回のみ算定すべきところ、2回算定している。
  • ・呼吸心拍監視について、観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点について、診療録への記載が不十分。
  • ・経皮的動脈血酸素飽和度測定について、酸素吸入を行っていない患者、またはその他の要件にも該当しない患者に対して算定している。(返還)
  • ・細菌薬剤感受性検査について、結果として菌が検出できず実施できなかった場合に算定している。(返還)
  • ・血液採取料について、訪問した看護師が採取した場合に算定している。(返還)
7 病診診断
  • ・病理判断料について、病理学的検査の結果に基づく病理判断の要点について、診療録への記載がない。(返還)
8 投薬
  • ・ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨について、診療録および診療報酬明細書への記載が不十分。
  • ・調剤技術基本料について、薬剤師が常態として勤務していないにもかかわらず算定している。(返還)
9 注射
  • ・手術当日に、手術に関連して行った注射の手技料(例:静脈内注射、点滴注射)を算定している。(返還)
10 リハビリテーション
  • ・疾患別リハビリテーションについて、
     (1)実施計画書を作成していない。(返還)
     (2)起算日が医学的に妥当ではない。(例:リハビリを開始した日を起算日としている)
  • ・リハビリテーション総合計画評価料1について、
     (1)多職種で共同して作成したリハビリテーション総合実施計画書に基づいてリハビリテーションを実施していないものについて算定している。(返還)
     (2)リハビリテーションが開始されてから評価ができる期間に達しているとは言い難い場合に算定している。(返還)
11 精神科専門療法
  • ・通院精神療法について、
     (1)診療の要点の診療録への記載が不十分。
     (2)当該診療に要した時間の診療録への記載が画一的。
12 処置
  • ・創傷処置および皮膚科軟膏処置について、処置を実施したことおよび処置した範囲を診療録等へ記載していない。
  • ・睫毛抜去について、少数の場合で算定すべきところ、多数の場合として算定している。(差額返還)
  • ・消炎鎮痛等処置について、医師の指示、実施内容の診療録への記載が不十分。

Ⅱ 管理・請求事務・施設基準等に係る事項

1 診療報酬明細書の記載等
  • ・診療報酬の請求に当たっては、医師と請求事務担当者が連携を図り、適正な保険請求を行うこと。また、診療報酬明細書を審査支払機関に提出する前に、医師自ら点検を十分行うこと。
2 保険外負担等
  • ・注射料、手術料等の所定点数に含まれている、衛生材料、保険医療材料等について、患者から徴収している。
3 一部負担金等
  • ・患者から一部負担金を徴収した後に診療報酬の請求内容を変更し、患者から徴収した一部負担金額の変更が生じた場合は、差額を徴収または返金すること。
4 届出事項等
  • ・診療時間の変更や保険医の異動など、届出事項の変更が認められたので速やかに近畿厚生局兵庫事務所に届け出ること。