審査対策部だより
2025年度の県内指導等実施予定
-協会が厚生局に開示請求-
2025.07.05
兵庫県内の2025年度指導等実施予定件数(表1)および診療科別平均点数(表2)が、協会が行った近畿厚生局への行政文書開示請求により明らかになった。
医科は新規指導中心で個別指導は少数
医科の個別指導は、病院3件(前年2件)、診療所6件(前年20件)であり、診療所で大きく減少している。診療所の予定件数の減少は、今年度の指導計画が新規個別指導を中心に立てられているためと見られる。
新規個別指導は、新規指定から概ね6カ月で実施するとされているが、2025年6月現在、新規指定後概ね1年前後で実施されており、依然として遅れている。そのため今年度の医科指導計画では、個別指導の実施予定日が新規個別指導に振り替えられており、結果個別指導の実施件数が抑制されたものと考えられる。
選定理由は病院と診療所で「情報提供」がそれぞれ1件あるが、他はすべて「再指導」である。
歯科は「再指導」での個別指導が大きく増加
歯科は28件(前年10件)であり、前年を大きく上回っている。
選定理由は25件が「再指導」である。昨年度の新規指導で「再指導」との結果が近年で最も多かったため、「再指導」での個別指導が顕著に増加している。
「その他」の3件は都道府県と厚労省の共同指導などでの選定と見られる。
高点数指導は医科・歯科ともに予定なし
コロナ禍で中断されていた高点数指導が昨年度から再開されているが、今年度は医科・歯科ともに実施は予定されていない。
高点数のみを理由とする指導は、対象となる医療機関が固定化されやすく、また萎縮診療を招き国民の受療権侵害にもつながるなど大きな問題を含んでいる。
集団的個別指導は医科8月~9月、歯科10月~11月に実施予定
高点数医療機関を対象とした集団的個別指導は、神戸と姫路の2会場で、医科では診療所303件・病院28件を対象に8月~9月に、歯科では230件を対象に10月~11月に行われる。
集団的個別指導は、レセプト1件あたりの診療科別平均点数(表2)の1.2倍(病院は1.1倍)を超え、かつ上位8%が対象とされている。ただし、①レセプト枚数が月30枚以下の医療機関や、②前年度および前々年度に集団的個別指導か個別指導を受けた医療機関は、対象から除外される。
現在、兵庫県における集団的個別指導は、「集団部分」と言われる講習形式の指導のみであり、面接形式の医療機関ごとの個別の指導はなく、自主返還などを求められることもない。集団的個別指導の対象となった翌年にも高点数に該当する場合には、さらにその翌年に個別指導の選定対象となるが、先述のように本年度は高点数による個別指導は行われていない。
近畿厚生局兵庫事務所は、各医療機関から自院の平均点数について照会があれば回答するとしている(電話078-325-8925)。
実施通知が届いたら協会へ相談を
協会は、高点数のみを理由とする個別指導や集団的個別指導の廃止を求めており、引き続き厚労省や近畿厚生局に要請していく。
また、会員からの個別指導等の相談にも応じているので、実施通知が届いたら、一人で悩まず、まずは協会に連絡いただきたい(医科電話078-393-1840、歯科電話078-393-1809)。

