兵庫県保険医協会

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震災20年メモリアルシンポジウム「巨大災害と人権」

2014.12.17

兵庫県保険医協会阪神・淡路大震災20年メモリアルシンポジウム「巨大災害と人権保障」
『想像的復興』の原点は神戸にあった
ショック・ドクトリンで収奪される被災地
日時 2015年1月17日(土) 16:30~18:30
会場 兵庫県保険医協会会議室 (会場のご案内)
定員 100人
参加費無料
案内チラシ(PDF)

 私たちは巨大災害と、どうむきあえばよいのでしょうか。阪神淡路大震災から20年たっても生活再建できない人々が立ちすくみ、福島原発は今も収束できず、避難者は故郷にもどれません。私たちの運動によって、個人補償はしないと言い続けてきた政府の壁を打ち壊し、公的保障の範囲を拡大してきました。しかし政府や兵庫県、神戸市などは、原発再稼働や埋立地への病院移転を推し進めています。古川さんはジャーナリストとして、阪神淡路大震災と東日本の両方を取材し、「震災に乗じた中央や外からの資本の食い物にされる被災地」を現地目線で取材され、東北メディカルメガバンク構想についても取材されています。私たちが進むべき道をあらためて考えてみましょう。


 パネリスト
ライター 古川 美穂 氏

【プロフィール】1965年神奈川県生まれ。週刊誌記者を経て94年よりフリーライター。著書「ギャンブル大国ニッポン」(岩波ブックレット)。現在、岩波書店の月間誌『世界』で「東北ショック・ドクトリン」を連載中。


「全国災害対策連絡会16年の成果」
全国保険医団体連合会会長 住江 憲勇 氏
「震災20年、開業医はいかに闘ったか」
兵庫県保険医協会副理事長 武村 義人 氏
「20年間の生活相談から」
ひょうご福祉ネットワーク・ケースワーカー 正津 房子 氏

<西宮・芦屋支部企画>


【当日の様子】


協会と保団連が協会会議室で行った、メモリアルシンポジウム「巨大災害と人権保障」には、全国の協会から65人が参加した。

 ライターの古川美穂氏は、「創造的復興」について、神戸医療産業都市を例に挙げ、震災に乗じて規制緩和を進め、企業が利益を上げようとするものであると批判。そして、東日本大震災後も同様に、住民のゲノム情報を収集・分析する東北メディカルメガバンク構想、仙台空港の民営化、カジノ構想などが復興事業として進められており、一方で窓口負担免除措置が打ち切られるなど被災者が置き去りにされていると述べた。

 住江憲勇保団連会長は、阪神・淡路大震災後、公的保障を求める兵庫県の運動を支援する中で、「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会(全国災対連)」が結成され、被災者生活再建支援法改善運動、被災地の運動・交流に取り組んでいると語った。

 武村義人兵庫協会副理事長は、開業医・協会の運動をふりかえり、公的保障を求め、被災者の患者負担免除措置や民間医療機関への公的支援、診療報酬の概算請求などを実現してきたと紹介した。

 ひょうご福祉ネットワーク・ケースワーカーの正津房子氏は、仮設住宅・復興住宅の巡回相談を20年間継続しており、住民の高齢化が進む中、生活困難や健康不安といった深刻な相談が寄せられていると紹介した。