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高浜原発再稼働差し止めを全面的に支持し、 すべての原発の廃炉を求める

2015.04.25

2015年4月25日


高浜原発再稼働差し止めを全面的に支持し、
すべての原発の廃炉を求める


兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

  福井地裁(樋口英明裁判長)は4月14日、原子力規制委員会が新規制基準に「適合」しているとした関西電力高浜原発3・4号機に対して、再稼働の差し止めを命じる仮処分を決定した。裁判所が仮処分で原発の運転を認めないという判断を示したのは初めてで、決定はただちに効力が生じ、今後の司法手続きで決定の取り消しや変更がない限り、再稼働はできなくなった。

 今回の決定は、再稼働の前提とされる原子力規制委員会の新規制基準について、「緩やかにすぎ、これに適合しても原発の安全性は確保されていない」と指摘し、「新規制基準は合理性を欠く」と結論づけた。

 「世界一厳しい基準」などと言われていた新規制基準が、安全とはほど遠いことを明らかにし、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決での「具体的な危険性が万一にもあれば、人格権が侵害される」との考えを踏襲し、新基準に合理性がない以上再稼働で人格権が侵害されると結論づけた、国民のいのちを守るという立場からの画期的判決である。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、今回の仮処分決定を全面的に支持する。今回の決定を政府や電力会社は真摯に受け止め、すべての原発からの撤退を決断すべきである。