兵庫県保険医協会

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【抗議声明】川内原発再稼働差し止め申し立て却下に抗議し、再稼働しないよう求める

2015.05.26

2015年5月2日


川内原発再稼働差し止め申し立て却下に抗議し、
再稼働しないよう求める


兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

 再生可能エネルギーは、近年、世界で再生可能エネルギーの導入が飛躍的に拡大し、コストも急速に低下してきている。今後の導入の促進によって、さらに発電コストの低減を図っていくことができる。小規模発電の利用、エネルギーの地産地消、公共交通・物流システムの見直しなどを推進していくための電源構成にすべきである。 そして、世界的にも脱原発・再生可能エネルギー推進をめざし、エネルギー環境対策技術や廃炉技術を輸出できるような国をめざすべきである

 新規制基準が安全を保障するものではないことは明白であり、原発事故が一旦起こればその被害は甚大であり、取り返しがつかないことは福島第一原発事故が証明している。今回の決定は、九州電力および政府の主張だけを取り入れた「再稼働ありき」の決定と言わざるを得ない内容である。

 日本火山学会原子力問題対応委員会は「周囲に多数のカルデラを抱え、巨大噴火のリスクが最も高い」とし、審査基準を見直すよう指摘している。にもかかわらず、決定は「カルデラ噴火の可能性は小さいと考える学者の方が多い」などとして専門団体の意見を無視している。

 また、住民の安全を確保できる計画は自治体に押しつけるだけで、実際にはほとんど策定できていない。鹿児島県は「県地域防災計画原子力災害対策編」で、医療機関等に対して「避難計画を作成すること」としているが、鹿児島県保険医協会が実施した「医療機関等に対する避難計画アンケート」では、圏内のほとんどの医療機関・施設等が避難計画作成の説明を受けておらず、計画も作成できていないことが明らかになっている。周辺住民への説明についても不十分で、「同意」とは程遠い内容である。

 今回の決定が、「新規制基準に適合したので安全」という新たな「安全神話」を復活させる契機とならないか、強く危惧する。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。川内原発1・2号機の再稼働を行わないことを強く求めるものである。