兵庫県保険医協会

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【抗議声明】経団連の提言書への抗議

2015.11.14

2015年11月14日


CO2削減の取り組みを阻害する経団連の提言書に抗議する

   

  兵庫県保険医協会理事長 西山 裕康

 

 日本経済団体連合会(経団連)の木村康副会長(JXホールディングス会長)は10月21日、丸川珠代環境相と面会し、火力発電所の環境影響評価(アセスメント)法の対象から二酸化炭素(CO2)を外すよう求める経団連の提言書を手渡したと毎日新聞で報じられている。その提言書は「環境アセスメント法は、大気や水質等への影響を念頭に周辺住民等とのコミュニケーションを図る手続き法」であるとし、「CO2排出対策に用いることの是非を含め再検討」を求めている。さらに、CO2の排出取引制度や再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度などを「規制的手法」として「導入すべきでない」「廃止も含めて抜本的な見直しを行うべき」としている。

 12月にフランス・パリで開催予定のCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において、国際社会は2020年以降の新しい温暖化対策の枠組みに合意しようとしている。この「パリ合意」にむけて、先進国だけでなく、新興国も2025年/2030年に向けた新たな温暖化対策の目標案を国連に提出し、脱石炭を進めようとしている中、経団連の提言書は世界の流れに逆行している。気候変動の原因であるCO2排出量が極めて大きく、日本で最大の排出源でもある石炭火力発電所に対し、CO2排出のアセスメントは強化することはあっても緩めることはありえない。
 
 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、政府にCO2排出規制を導入するなど、CO2の大幅削減を進めていくよう求めるとともに、経団連には、企業の社会的責任を果たし、CO2削減に、真摯に取り組むよう求める。