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【抗議声明】高浜原発再稼働地元同意への抗議

2015.12.12

2015年12月12日


関西電力高浜原発の地元町長同意に抗議し、

再稼働しないよう求める

   

  兵庫県保険医協会

第1030回理事会

理事長 西山 裕康

 

 関西電力高浜原発3・4号機(福井県高浜町)の再稼働について、12月3日、福井県高浜町の野瀬豊町長は同意を表明した。福井地裁は今年4月、原発再稼働の可否を決める新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性を欠く」と指摘し、新基準を満たしても安全性は確保されないと判断し、2基の運転を差し止める仮処分を決定した。町長の同意表明はこの司法判断をないがしろにするものである。東京電力福島第一原発事故の収束作業も見通せず、国民の多くが「脱原発」を求めている中で、原発の再稼働は許されない。

 原発の重大事故発生時の放射能汚染は広域であり、かつ高浜原発の場合、近畿の水甕である琵琶湖の汚染をも視野に入れなければならない。本来、立地自治体といった狭い地域の首長の許認をもって、稼働の条件とすること自体、大きな問題である。高浜町長は自身の決断の重要性を認識し、政府が防災・避難計画の策定を義務づけた原発から30km圏内の自治体首長と少なくとも協議し、政治家として全国民的な視野に立った判断として、再稼働を容認するべきではなかった。

 われわれは、いのちと健康をまもる医師・歯科医師として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働に断固反対する。

 高浜原発3・4号機の再稼働計画の中止を政府・関西電力に強く求めるとともに、高浜町長には地元同意の撤回を求め、福井県知事には再稼働を容認しないように求める。