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【抗議声明】高浜原発再稼働についての「地元同意」と 福井地裁の差し止め仮処分決定取り消しに抗議

2016.01.09

2016年1月9日


高浜原発再稼働についての「地元同意」と

福井地裁の差し止め仮処分決定取り消しに抗議する

   

  兵庫県保険医協会

第1031回理事会

理事長 西山 裕康

 

 高浜原発3・4号機(福井県高浜町)の再稼働について、福井地方裁判所(林潤裁判長)は昨年12月24日、関西電力が申し立てた異議を認め、同地裁が昨年4月に再稼働を差し止めた仮処分決定を取り消した。原発「立地自治体」である福井県知事と高浜町長は再稼働に同意しており、関西電力は1月下旬にも再稼働に踏み切る見込みだ。

 原発事故が一旦起こればその被害は甚大であり、取り返しがつかないことは福島第一原発事故が証明している。4月の差し止め決定は事故の教訓を踏まえた国民の命を守るという立場に立ったものだったが、今回の決定は、事故の教訓を無視し、関西電力および政府の主張だけを取り入れた、「再稼働ありき」と言わざるを得ない内容である。

 再稼働の条件を「立地自治体」の首長に限っていることも大きな問題である。高浜原発から30㎞圏内に限っても、3府県の多数の自治体が含まれ、その一つである京都府宮津市議会は「高浜原発再稼働反対の意見書」を可決している。さらに、高浜原発で万が一事故が起こった場合、近畿の水甕である琵琶湖の汚染も想定され、滋賀県知事、京都府京田辺市議会などからも原発再稼働反対の声が上がっている。国民の圧倒的な原発反対の声や近隣市町村の反対の声を無視することは許されない。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。高浜原発3・4号機の再稼働を行わないことを強く求める。