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【抗議声明】北朝鮮の「人工衛星」の打ち上げに対する声明

2016.02.27

北朝鮮の「人工衛星」の打ち上げに対する声明 

 2016年2月27日 

兵庫県保険医協会

第1034回理事会

 北朝鮮は、2月7日午前9時31分(日本時間)、「人工衛星」と主張する事実上の長距離弾道ミサイルを北西部の東倉里から発射した。北朝鮮による長距離弾道ミサイルの開発は、朝鮮半島の非核化にむけた国際社会の努力を損ない、東アジアの平和と安定を大いに脅かすものである。今後すべての核実験とロケットの発射をやめ、核兵器開発計画を放棄するよう強く要求する。

 北朝鮮による今回のロケット発射は、2009年6月12日に全会一致で採択された国連安全保障理事会決議1874号に違反している。同決議は、北朝鮮に対し、「いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しないことを要求する」と、「弾道ミサイル」だけでなく、「人工衛星」も含めて、これ以上のロケット発射の中止を強く求めたものである。

 北朝鮮はこの安保理決議が自主権の侵害であると強弁しているが、この安保理決議1874号は、北朝鮮が核兵器の開発とロケット発射を同時期に一体のものとして行っており、北朝鮮の主張する「人工衛星」が長距離弾道ミサイルの開発に直結するとの国際社会の懸念から採択されたものである。北朝鮮は諸国民の核不拡散と廃絶を願う声に反して、核開発を継続しており、またロケット発射が核実験と一体で実施され、核兵器へ転用可能なものである以上、今回のロケット発射は平和的宇宙開発として、正当化されるものではない。

 北朝鮮は、2005年の6カ国協議の共同声明に立ち返り、核不拡散を求める諸国民の願いにこたえ、核兵器を放棄するべきである。

 また、核保有国とその傘のもとにある国は、北朝鮮のこうした核開発とそれを利用した挑発行為の口実となっている核抑止力論と拡大抑止論から脱却し、核廃絶を求める世界の流れに応え、速やかに実行性のある核廃絶に取り組むべきである。

 さらに、日本は、北朝鮮などの脅威を煽ることにより、進めている「安全保障法制」に象徴される軍事大国化をやめ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と宣言する日本国憲法を名実ともに堅持すべきである。

 われわれは、唯一の被爆国である日本の、命と健康を守る医師・歯科医師として、世界の平和を脅かすこれらの動きに強く反対し、各国が国際社会の責任ある一員としての道をすすむことを強く求める。