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【抗議声明】40年を超えた高浜原発1・2号機の新規制基準 「適合」に抗議

2016.03.12

2016年3月12日


40年を超えた高浜原発1・2号機の新規制基準

「適合」に抗議し、再稼働しないよう求める   

  兵庫県保険医協会

第1035回理事会

 原子力規制委員会は2月24日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1・2号機について、再稼働の前提となる新規制基準に「適合」したとする審査書案を了承した。40年を超える老朽原発の新規制基準適合が認められるのは初めてで、7月までに追加の審査に通れば、60年までの運転が可能となる。老朽原発を再稼働させるのは、安全性に問題があるとともに、「原発ゼロ」を求める多くの国民の気持ちを無視したものである。

 福島第一原発事故から間もなく5年になろうとしているが、原発事故はいまだに収束せず、原因すら解明されていない。長期にわたって全国の原発が停止していたが電力不足の懸念はなく、原発を再稼働する必要はない。老朽原発ではなおさらである。

 そもそも原子炉等規制法の「原子力発電所は運転開始から原則40年で廃炉に」というルールは、放射線により原子炉圧力容器が劣化し、危険だとの理由で定められたものであり、その他の機器類を新しいものに変える等の対策でどうにかなるものではない。延長の科学的根拠となるべき鋼鉄の経年的中性子照射脆化に対する確たる知見は未だ存在しない。さらに、プルサーマルを行ってきた3・4号機が隣接して存在している。過酷事故を起こす危険性が高いにもかかわらず、具体的な避難計画の策定は進んでおらず、事故が起こった際に住民の安全を確保することは不可能であり、近畿の水源琵琶湖さえも汚染される。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。原子力規制委員会は審査書を撤回し、政府・関西電力は高浜原発1・2号機の再稼働を中止するよう強く求める。