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核兵器禁止条約交渉会議への不参加を決定した日本政府に抗議する

2017.04.08

安倍晋三内閣総理大臣 殿
岸田文雄外務大臣 殿

 

核兵器禁止条約交渉会議への不参加を表明した日本政府に抗議する

  兵庫県保険医協会

第1056回理事会

 日本政府は3月28日、核兵器禁止条約制定のための交渉会議への不参加を表明した。核兵器の無い世界の実現へ向けて、極めて大きな一歩となる核兵器禁止条約の実現に逆行する日本政府の姿勢は、唯一の戦争被爆国の政府として許されざるものであり、われわれは断固抗議する。

 この交渉会議は、昨年10月に国連総会第一委員会で123カ国の賛成で採択された核廃絶のための交渉開始を求める決議により開始したもので、110カ国余りが核兵器禁止条約の実現に向けて参加しているが、日本政府は3月27日の会議初日のハイレベル会合には出席したものの、その後不参加を表明した。その理由として岸田外相は、交渉会議が核保有国と非核保有国の対立を深めるものであるためとしているが、核兵器の使用・所持を禁止することが世界の安全保障に資することは疑いの余地がない。交渉会議不参加という日本政府の姿勢は、核兵器国と非核兵器国の「橋渡し役」というこれまで主張してきた役割を放棄し、核兵器の無い世界を求める世界の流れに逆行するものであることは明白である。

 もともとこの条約をめぐっては、昨年の交渉開始決議採択の際に米国をはじめとする核保有国が、決議に反対するよう、世界各国に対して強い圧力をかけていた。今回の日本政府の姿勢は、この核抑止力論に依存する核保有国の要求に追従するものであり、核兵器の無い世界の実現を願う唯一の戦争被爆国としての立場を放棄するものであり、決して認められない。

 われわれは、命と健康を守る医師・歯科医師の団体として、核兵器の無い世界の実現のために、日本政府に対し核兵器禁止条約に対するこれまでの姿勢を改め、6月15日からの後半会期では、核兵器禁止条約の締結に向けて積極的な立場で交渉会議に参加することを求める。