兵庫県保険医協会

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声明 健康保険法改定案に盛り込まれたマイナンバーカードによる被保険者または被扶養者の資格確認に反対する

2019.03.09

健康保険法改定案に盛り込まれたマイナンバーカードによる

被保険者または被扶養者の資格確認に反対する

 

  兵庫県保険医協会

 2月15日、安倍内閣はマイナンバーカードによる被保険者または被扶養者の資格確認を可能とすることを盛り込んだ健康保険法改定案を閣議決定した。また、同法案にはオンライン資格確認や電子カルテ等の普及のための医療情報化支援基金の創設も盛り込まれた。今国会で審議が行われる予定である。

 背景には、社会のデジタル化を促し、世界レベルのIT国家を目指すという政府の方針に反して、マイナンバーカードの普及率が2月5日の時点で12.6%と普及していない状況がある。政府は、マイナンバーカード普及のためにすべての医療機関でマイナンバーカードによる被保険者または被扶養者の資格確認ができるようにするとしている。

 新たに創設される医療情報化支援基金は医療機関にマイナンバーカードを読み取る環境整備に対する補助を行うとともに、電子カルテ等の普及にも利用される。一部報道では、患者の資格確認とともに、過去のレセプトデータや電子カルテに記載された診療情報の閲覧を各医療機関でできるようにするとの計画も報じられている。

 もし、このようなことが実現すれば、極めてセンシティブな個人の医療情報がマイナンバーカードと紐付けられることになり、情報漏えいのリスクが増大するばかりでなく、情報が漏えいした際の損害も莫大なものになる。

 本法案は患者の医療情報の漏洩リスクを高めるとともに、その責任を一医療機関が負うことになりかねない危険性を持っている。国民に保険証一枚でいつでも、どこでも、比較的低い負担で、世界水準の医療を受けることができる国民皆保険制度の仕組みをマイナンバーカードの普及のために利用することに反対する。