兵庫県保険医協会

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【決議】兵庫県保険医協会 第51回総会決議

2019.06.16

兵庫県保険医協会 第51回総会決議
 

 

 本年、兵庫県保険医協会は、設立から50周年を迎えた。協会は、現場を省みない医療保険行政の改善を求める医師や悲惨なアジア太平洋戦争を体験した医師により設立された保険医クラブを前身としている。

 協会設立後は、開業保険医の経営と生活、権利を守るとともに、社会保障の制度拡充に尽力し、国民とともに、一貫して国民皆保険制度を守り続けてきた。

 同時に、戦争を体験した医師らは、志を同じくする医師や平和を願う多くの国民とともに、憲法に謳われた民主的な平和国家としての日本を追い求めてきた。

 50年を経た今でも、政府は公的医療費を抑制し、患者窓口負担を増加させようとしている。社会保障の歴史に逆行するこれらの給付減と負担増は、医療における社会保障の所得再分配機能を破壊し、貧困と格差を拡大させ、多くの国民の健康や命を脅かしている。さらに、政府は社会保障の充実を口実に消費税増税を強行しようとしている。今必要なことは、大企業や富裕層に応分の負担を求め、医療・社会保障を充実させることであり、現下の経済情勢で消費税増税を行えば、国民生活の困窮に拍車をかけることは必定である。 

 また、安倍首相は、憲法尊重擁護の義務を蔑ろにし、憲法第9条改定に改めて意欲を示している。その狙いは自衛隊を世界中で戦争できる軍隊に変質させ、アジア太平洋戦争の深い反省の下に、平和国家として歩んできた日本の国際的地位を貶めるもので、決して許すことはできない。

 我々は半世紀にわたり国民の命と健康を守りつづけてきた医師・歯科医師の団体として、今後も国民医療の充実と向上をはかるために、一層努力する。

一、能力に応じて負担し、必要に応じて給付を受けるという社会保障の原則を徹底し、社会保障費を増やし、給付を拡大すること。
一、消費税の10%増税を中止し、医療にはゼロ税率を導入して医療機関の控除対象外消費税負担を解消すること。
一、保険でより良い歯科医療を実現するため、歯科技術料を正当に評価し、保険適用範囲を拡大すること。
一、東日本大震災や熊本地震など災害被災者に対し、国の責任で支援を抜本的に強めること。
一、再稼働した原発を直ちに停止し、原発ゼロ政策の推進、再生可能エネルギーの拡大を進めること。
一、日本国憲法を守り、日本国憲法の理念が行き届く社会を実現する憲法通りの国づくりをめざすこと。

以上、決議する。

2019年6月16日 兵庫県保険医協会第51回総会