兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

トピックス

トピックス

主張 通常国会が開会 国民生活を支える予算へ抜本的な組み換えを

2021.01.25

 1月18日に国会が開会した。今国会では、2020年度3次補正予算や21年度本予算が審議される。また、後期高齢者の窓口負担2割化の法案も提出される見込みだ。国民生活に重大な影響を与えるこれらの予算案や法案の徹底審議を与野党に要求したい。
 21年度予算案では、医療・社会保障予算の「自然増」を、昨年を上回る1300億円も削減し、薬価の切り下げ等と合わせ、医療費は1.5%減とされた。新型コロナ感染症対策でも、医療機関の減収補填は計上されず、公的病院の統廃合も予定通り推進しようとしている。一方で、軍事費は7年連続で過去最高を更新、デジタル庁の創設やマイナンバーカードの強引な普及など財界主導の施策も目立つ。
 第3次補正予算に関しても、持続化給付金や家賃支援金の打ち切り、GoToトラベル・イートの継続など、緊急事態宣言下の状況に逆行する内容である。両予算とも、不要不急である軍事費や公共事業費を抑え、医療・社会保障と、コロナで困難に陥っている国民生活を支える施策の拡充に振り向けるよう、抜本的な組み換えを要求する。
 政府には、新型コロナ感染症に起因する、すべての医療機関への減収補填を、ただちに行うことを強く求める。厚労省のデータによると、緊急事態宣言の発令された昨年4月の医療機関の減収幅は前年度比マイナス13%で、多くの医療機関が赤字経営を余儀なくされた。今次の緊急事態宣言により、再度の大幅減収が懸念される。国民の健康を支える地域医療が、崩壊する事態にもつながりかねない。現行の予算の枠でも実行可能な施策であり、国会や省庁への要請を強めたい。
 後期高齢者の窓口負担2割化は、撤回を求める。負担増は受診抑制に直結し、多くの高齢者の健康悪化につながる。コロナ禍で苦しむ国民に、さらに負担を押し付ける政策は、まともな政治家のすることではない。署名や国会行動で反対の世論を強めるとともに、今年行われる総選挙は、審判をつける機会としたい。すべての会員に、これらの運動への協力を呼び掛けるものである。