兵庫県保険医協会

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専門部だより

女性医師・歯科医師の会

研究会「開業医だからできるアンチエイジング」感想文

2010.01.16

jyoizenntai.JPG中央区 服部かおる

 女性医師・歯科医師の会は1月16日に協会会議室で、研究会「開業医だからできるアンチエイジング」を開催した(神戸支部との共催)。女医の会世話人である服部かおる先生の感想を紹介する。

 先日、世話人をつとめる女性医師・歯科医師の会で、抗加齢学会から講師をお招きして研究会を開催した。講師は同志社大学生命医科学部抗加齢医学研究室アンチエイジングリサーチセンター教授である米井嘉一先生で、110人もの医師の参加があり、予想を超える反響に驚いた。講演内容を紹介する。
 抗加齢をめざす目的は、動脈硬化を予防、寝たきりを防ぐ、認知症を防ぐ、がん予防と皮膚の老化を防いで健康長寿をめざすことで、決して不老長寿を目的としているのではない。
 老化度は筋年齢、血管年齢、神経年齢(認知機能)、ホルモン年齢と骨年齢を総合して判定する。病的な老化を防ぐためには、この五つの因子の調和がとれていることが重要で、平均以上に若い必要はない。むしろ自分の弱いところを知ることが大切。それぞれの因子に対して医学的な検査方法と対策が明らかになっている。
 今回の講演では、同志社大学健康体力科学研究センターとの共同研究で、歩くことの抗加齢効果を示された。標準的な1日の推奨歩数1万歩を5カ月続けると筋年齢、骨年齢、ホルモン年齢、血管年齢が若返る。
 また印象に残ったことでは、歯周病などの慢性炎症が血管年齢に影響して動脈硬化になること。体を酸化させる活性酸素の成因の1位はタバコ、2位が紫外線、3位以降に排気ガスや大気汚染、食品添加物や残留農薬、ストレスや飲酒など。いわゆるサプリメントは食事などの不足成分の補充という位置づけで、サプリメント自体が健康増進するというデータはまだないこと。理想の食事である和食の欠点は、カルシウム不足と塩分過多である。もっとも大切な因子はやはり神経・精神年齢であり、全身運動に加えて手先の細かい作業を組み合わせると効果が上がる。また見た目(外見)の若返りから取り組むとうまくいく、等々。
 「開業医だからできるアンチエイジング」という楽しい演題だったが、なかなか奥の深い分野であることを再認識した。

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