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[インタビュー] 女将の卵から小児科医に

2011.01.30

syakunage08-ic2.gifのサムネール画像のサムネール画像先山 信子先生

 有馬で開業して56年になります。ここは、山に囲まれていて、空気もいいし、星もきれい。そして、何より温泉がある。86歳の今も元気に診察していられるのは、この環境のおかげです。
 戦時中、長田区から疎開して初めて有馬に来ました。ここで神戸大学婦人科にいた主人と出会いましたが、主人の実家は老舗旅館。医者をやめて女将になると約束して結婚し、旅館の手伝いを始めました。
 旅館の近くに小児科医が誰もいなかったので、近所の方が急病の子どもを連れて、旅館で働く私のもとに駆け込んでくるんです。でも、薬も医療設備もなく、このままじゃあかん、簡単な診察だけでも、と小児科・内科を始めたのが今まで続いています。
 せっかくの有馬の湯を治療にも活かしたいと思い、医院の敷地を掘ってみたら金泉が見つかり、医院内にひきました。デイケア・デイサービスの際に入浴してもらい、診察に来た方にも足をつけてもらえるようにしています。血の循環をよくし、リラックスできると好評です。亡くなった主人の産婦人科病棟を小さなリゾートホテルに改装し、一般の方々にも温泉を楽しんでもらえるようにしました。県下各地から療養に来られます。
 開業から50年が過ぎ、子どもだった患者さんも高齢になりました。今はデイケアやデイサービスに力を入れています。温泉のほか、私も一緒に文化教室で絵を描いたり陶芸をしたり。とても喜んでもらえますし、私も元気になります。
 実際に年をとらないとなかなか高齢者の気持ちはわかりません。その気持ちを理解できる医者として、この有馬で診療を続けていきたいと思っています。

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