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女性医師・歯科医師の会

女医の会インタビュー(28)「心臓リハビリ」で人生をもっと豊かに

2020.01.05

「心臓リハビリ」で人生をもっと豊かに

姫路市 北村 アキ先生

 

 4月に姫路であき循環器心臓リハビリクリニックを開業しました。もともとは心臓外科医でした。よく「女性の心臓外科医はめずらしい」と言われますが、心臓外科医の父親に憧れて医師を志したので、自分が同じ道を歩むのに違和感はありませんでした。幼稚園のときから、「自分は心臓外科医になる」と思っていたくらいで、勤務医のころは、手術室にいる時間がとても充実していました。スタッフみんなで手術を成功させ、患者さんの治療がうまくいったときの達成感は他に代え難いものがあります。手術に全力投球することに何も疑問を感じず仕事をしていましたが、卒後10年目を超えた頃から、手術は上手くいったのに、元気のない患者さんがおられることに気づくようになりました。そんな時、心臓リハビリと出会いました。

 心臓リハビリは運動、栄養、心理の三つの面から循環器の疾患にアプローチします。手術などの治療の過程で、安静にされていたことにより体力が落ち「できないこと」が多くなった患者さんの、「できること」を増やしていきます。体力がつくことで生活の質が上がり、心臓病の再発予防にもなります。手術が上手くいっても元気になれない患者さんの助けになる心臓リハビリをしたいと思い、メスを置き開業しました。

 クリニックは前述の「運動・栄養・心理」からのアプローチを実践できるつくりになっています。1階には栄養指導を含む生活指導をするためのキッチン付きセミナー室、2階には運動療法を行うトレーニングルームがあります。これまであきらめていた旅行ができるようになったり、できなかった運動ができるようになったりする患者さんをたくさん見ていると、このクリニックを開院して本当によかったと思います。

 日本では管理職の立場にまだまだ女性医師が少ないのが現状です。女性医師が増えるためには、男性も女性も考え方を変える必要があると感じます。というのも、海外の医師と交流すると、日本とは家庭や仕事に対する考え方の大きな違いを感じます。女性の医師や学者が多い国はメイドやベビーシッターを雇うのが一般的です。子育てがあっても仕事もするし、余暇を含め自分たちの時間を確保することも大切に考えています。女性は新しいことを創造してチャレンジすることが得意なのではないでしょうか。また「女性の先生だと安心できる」と言われる患者さんもいるように、女性ならではの柔らかさも医療現場では求められていると思います。日本のように一人で多くを抱え込むのではなく、社会として支える仕組みができることを望みます。

 診療を通して、単に疾患を治すだけではなく、患者さんの生活の質を上げ豊かに生きられるようにすることが目標です。そんな心臓リハビリをもっと多くの方に広げていきたいと思います。

 協会にも、ラジオ出演でお世話になりました。これからもよろしくお願いします。

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